学位論文 UWB内部画像レーダのための拡張Envelope法を用いた二層誘電体境界推定法

新實, 琢哉  ,  ニイミ, タクヤ

pp.1 - 57 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
近年,誘電体内部計測技術としてUWB(Ultra wide-band) レーダが注目されている.従来の技術では,コンクリート中に埋設する物体や亀裂等の異常を感知する非破壊検査や,乳癌等の非侵襲生体計測といった誘電体内部計測として,X線や超音波を用いた手法が利用されていた.しかし,X線では,放射線被爆,超音波では接触計測が必要であるという各種の制限があった.そこで,高分解能と高い誘電体内部透過性といった特徴を持つUWBパルスレーダを用いた内部画像化技術への応用が期待される.既に,高精度内部画像化手法として,RPM(Range Points Migration)法の原理を拡張した画像化手法が提案されている.同手法は,誘電体境界推定点及び同法線ベクトルによる幾何光学近似に基づいた伝搬経路決定を用いた手法である.しかし,同手法の再現精度は対象の誘電率に依存する.実際の測定においては,誘電率は不均質かつ未知であるため,高精度の内部画像化には正確に誘電率を同時推定する必要がある.このため,従来の内部画像化手法には誘電率推定法との併用が必須となる.従来の誘電率推定法には,領域積分法手式に基づく手法や壁透過レーダを想定した手法が各種提案されている.しかし,前者は層構造を持つ誘電体に対して精度が劣化し,かつ膨大な計算量を有すること,後者は直方体等の単純な形状に限定される等の問題点を有する.これらの問題を解決するため,任意境界に対応した,高速高精度の誘電率推定法が提案された.同手法は,RPM法による高精度誘電体境界推定及び透過は伝搬距離と幾何光学近似に基づく手法である.しかし,同手法は単一誘電層を想定した手法のため,人体の皮膚や脂肪等の層構造を持つ誘電体に対して誘電率を推定することが出来ないため,内部画像化を行うことが困難である.上記問題点を解決するために,本論文では,二層誘電層媒質を想定した,幾何光学近似と拡張Envelope法を用いる誘電率推定法を提案する.外部境界に対してRPM法及びEnvelope法,内部境界に対しEnvelope法を拡張した手法により各層境界を推定する.各層を透過する幾何光学近似に基づく伝搬遅延量の最適化によって,各誘電層の誘電率を同時に推定することを可能にする.数値計算及び実験による性能評価により評価し,提案法の有効性を示す.

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