Thesis or Dissertation 多偏波SAR画像を用いた自己組織化マップによる自動目標認識法

大野, 翔平  ,  オオノ, ショウヘイ

pp.1 - 58 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)は,航空機・衛星にアンテナを搭載し,地表面を観測する画像レーダセンサとして有用とされている.SAR は,マイクロ波を用いることで昼夜・天候に依存しない観測が可能であり,広域かつ高分解能な画像を生成する.しかし,SAR 画像で用いる波長は数cm 程度であり,光学画像で用いる波長(数百nm)と大きく異なる.これにより,光学画像と比較して,視覚による目標認識が困難となる.そこで,近年,SAR 画像に対する機械学習等を用いた様々な自動目標認識法(ATR:Automatic Target Recognition)が提案されている.一般に自動目標認識では,前処理として目標領域を抽出する目標領域推定法が必要である.従来の目標領域推定法としてPWF(Polarimetric Whitening Filter)が提案されているが,熱雑音のような白色性干渉信号に対しては目領域推定精度が劣化する.また,従来の自動目標認識法として,ニューラルネットワークなどを用いた手法が提案されているが,雑音や方位方向変化に対してロバストではないという問題点を有する.これに対し,我々は既に,SOM(Self-organizing map)を用いた自動目標認識法を提案しており,分類においてU-matrix 基準によるポテンシャル場を評価することで,認識精度の改善を実現した.しかし,同手法は,単一偏波SAR 画像のみを考慮しており,目標の方位方向誤差に対しては,ロバスト性が不十分であった.一方,複数偏波による散乱データ解析により,目標形状情報の抽出を可能とする研究が多数報告されており,これら多偏波SAR 画像を自動目標認識に用いることで,その精度向上が期待されている.本論文では,まず目標領域抽出のために,各偏波画像のPSNR(Peak Signal-to-Noise Ratio)より重み付け偏波合成法を提案する.さらに,従来のSOM を用いた目標認識法における入力ベクトルを多偏波SAR データに拡張する.ここでは,基準SAR 画像を用いた方位方向補正と円偏波基底変換を導入することで,目標の方位方向誤差に対するロバスト性を向上させる.実験では,X バンドレーダの100 分の1 スケールモデルを想定し,5 つの民間航空機模型を多偏波で観測する.まず,実験データより,PSNR による重み付合成SAR 画像により,目標領域を高精度に抽出することを示す.さらに,円偏波基底変換を用いた提案法より,従来の単一偏波や直線偏波基底を用いた手法よりも目標認識確率が向上したことを示す.

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