Thesis or Dissertation 台詞から想起される感情を表現するロボット動作の自動生成

宮崎, 斉  ,  ミヤザキ, ヒトシ

pp.1 - 47 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
現在,人間共存型ロボットの多くは,あらかじめ作成した動作データに基づいて対話時の動作等を実行している.しかし,個々の動作を人間が手作業で作成するという手法では,動作の種類が限られ,動きに多様性を与えることが難しい.また,作成に要する作業量も膨大である. そこで本論文では,与えられた台詞から想起される感情を機械学習によって推定することで,台詞に対応する感情を伴った動作を自動生成することを目的とする.  動作生成の枠組は,学習過程と認識生成過程に分けられる.学習過程では,まず台詞と動作のセットを収集し,前処理を施した上で学習データセットを作成した.学習する台詞としては,日常会話文と感情を強く含んだ文の双方を使用した.動作としては,台詞に沿ったロボットのポーズを手動で作成したものを用いた.次に,作成した学習データセットに対してMultimodal Latent Dirichlet Allocation(MLDA)手法を用いて学習を行い,いくつかの特徴的なカテゴリに分類した. MLDAを選んだ理由として,複数種類のデータ(台詞,動作)を関連付けて学習できること,観測できない種類のデータ(動作)を観測したデータ(台詞)から推定できることが挙げられる.認識生成過程では,新たに入力された台詞を各カテゴリに分類し,その台詞に合った動作を類似した台詞から推定・生成する.提案手法では台詞からの動作の生成とほぼ同様の手順で,動作からの台詞の生成が可能である. 評価のために主観評価実験を行った.実験は,被験者に1つの台詞に付けた2種類の動作を見比べてもらい,動作に関する質問に答えてもらう形式で実施した. 2種類の動作のうち,一方は提案手法,他方は比較対象の手法で生成した動作とし,それらを比較することで,提案手法と比較対象の相対評価とした.比較対象には,手動生成,ランダム,動作無しの3種類を用意した.ランダムは,意味なく小さく手を動かし続ける動作であり,会話中の動作の生成によく用いられる.質問は,一組の動作につき5問で,台詞と動作の整合性,親和性,人間らしさ,動きの滑らかさ,感情表出に関するものとした.実験の結果,手動生成,提案手法,ランダム,動作無しの順で,被験者はロボットの動作に好印象を感じたことがわかった.提案手法により従来のランダムな動作をするロボットに比べて自然な動作を自動生成できるようになった. 本研究の成果によって,ロボットの会話中の動作の自動作成が可能になるとともに,ロボットの行動の幅を広げ,より人間的な表現を実現することができるようになる.また,動作と台詞の相互変換が可能であるため,入力として人間の動作をロボットの動作に変換したものを与えることで,人間の感情や意図を簡易的に推定することができる.この成果は,人間のことを「察し」,人間的な行動をとることができるロボットの実現への第一歩となる.

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