Thesis or Dissertation 2-ピリジルメチレンアミンを配位子に含むスピンクロスオーバー錯体の熱ヒステリシス挙動の解明

餅田, 直剛  ,  モチダ, ナオタカ

pp.1 - 112 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
スピンクロスオーバー(SCO)錯体とは光や熱、圧力といった外的要因により、中心金属のスピン状態が可逆的に変化する錯体である。SCO錯体は磁性スイッチング材料への応用が期待されているが、実現のためには、室温付近で幅の広い熱ヒステリシスを示す必要がある。本研究では一般式が図1で示される配位子LXRを用いて配位子の置換基効果がSCO挙動に与える影響を明らかにするとともに、新規SCO錯体の開発への指針を得ることを目標とする。配位子LHPriを用いた錯体[FeII(LHPri)2(NCS)2]を合成し、幅12 Kの熱ヒステリシスを実現した(図2)。結晶構造解析により、この熱ヒステリシスは温度変化に伴うイソプロピル基の立体配座の変化に伴うものということが明らかになった(図3)。配位子の一部をメチル基に変更した錯体[FeII(LMePri)2(NCS)2]は2段階のSCOを示した。配位子LXPriを用いた錯体が興味深いSCO挙動をもたらしやすいという知見を得た。また、熊本大学松本尚英教授との共同研究に参画し、4f-3dヘテロ金属錯体の単分子磁石としての性能評価を行った。その成果はInorganic Chemistry誌で5編の論文として発表された。

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