学位論文 超弾性材の座屈現象を用いた人工靭帯機構の開発と五指ハンドへの応用に関する研究

髙澤, 駿介  ,  タカザワ, シュンスケ

pp.1 - 118 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
近年,小型かつ多関節を有するロボットハンドの発展が目覚ましく,様々な分野での需要が高まっている一方で,小型化が進むにつれてロボットハンドの強度が低下し,想定しない過負荷や衝撃によって故障してしまうことが問題となっている.特に,負荷がかかる部位である関節の強度低下は著しく,多くのタスクが実現可能で,かつ故障しない関節の開発が進められている.様々な動作やタスクを実現するために,ロボットハンドの関節は負荷に対してリジッドである必要がある.一方で,過負荷や衝撃に対して故障しない関節を実現するためには負荷に対して柔軟である必要がある.したがって多くのタスクを実現することと耐故障性を持たせることはトレードオフの関係となっている.そこで本研究では,1つの関節に関節機能と破壊防止機能の両方の機能を持たせ,負荷の大きさに応じて選択的に動作を変えることで関節を保護することを提案し,リジッドな関節を実現するための靭帯機構と,関節破壊防止のための自動回復機能を有するフォースリミッタ機構の2つを開発した. 靭帯機構は,すべり関節の回転中心を通過するように通したワイヤを用いてリンク同士を結合するもので,回転中心によらずにリジッドな関節を実現する. フォースリミッタ機構は超弾性合金の座屈現象を用いた機構で,低負荷時は剛体として,過負荷時には弾性体として作用することで靭帯機構のワイヤに緩みを発生させ,関節の破壊を防ぐ機構である.機構作動後は超弾性効果を用い,除荷によって自動的に機能回復を行う. これらの関節機構を実装した五指型ロボットハンドを開発し,評価実験を行った結果から,本研究の成果として次の2点を得た.Ⅰ:負荷の大きさに応じて選択的に動作を変え,低負荷時には高い剛性を備えたすべり関節,過負荷時には脱臼して関節を保護し,除荷によって関節機能の回復を行う小型関節機構の実現Ⅱ:開発した関節機構を実装し,把持能力やタスク実行能力を向上し,耐故障性を獲得させた小型の五指型ロボットハンドの実現

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