Thesis or Dissertation 部分空間を用いた脳波識別のための空間フィルタの設計

善本, 秀法  ,  ヨシモト, シュウホウ

pp.1 - 46 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
脳コンピュータインターフェイス (BCI; Brain Computer Interface)) は,観測された脳信号から思考や刺激による脳活動の判別を行うことで,機器の操作命令を作り出すインターフェースである.BCI は身体の動きを伴わないインターフェースを実現できるため,重度の筋萎縮性側索硬化症患者 (ALS; Amyotrophic Lateral Sclerosis) など,脳機能のみが残存している人が,自らの意思で機器の操作を行ったり,他者と意思疎通したりすることを可能にする有望な技術である.BCI には記憶や認識に関連した刺激によって誘発される事象関連電位(ERP; Event Related Potential)に基づくものがあり,その1つにP300と呼ばれるERPに基づくものが存在する.P300とは人が何かを認知した約300ms後に現れる脳波の成分である.この特性を利用して,P300の有無を脳波から判別することで,利用者の要求を推定するP300-based BCIが提案されている.P300-based BCIには雑音の影響を減らし精度を上げるためのフィルタが提案されている.その1つである空間フィルタは,識別に有効な情報を各電極の脳波の重み付き線形和によって抽出する方法である.C-FMS beamformerでは,脳信号のSN比とクラス間分散とクラス内分散の比を最大にする空間フィルタを組み合わせた特徴抽出方法を提案している.本論文では,空間重みを求める問題に対して,射影ノルムと投影距離を用いた手法とそれらをカーネル化した手法を提案する.C-FMS beamformerでは信号の分離度合いを示す基準を用いて特徴抽出を行うのに対し,提案手法では観測信号にP300の特徴がどれぐらい含まれているかを示す基準である射影ノルムや投影距離を用いて特徴抽出を行う.カーネルに拡張した空間フィルタでは,観測信号の分布が非線形な軸に沿って広がる場合に対しても有効であり,また,特徴空間を高次元にするため,各クラスの部分空間同士の重なりを減らすことができるという特長を持つ.空間フィルタを用いない手法とC-FMS beamformerを用いて,提案手法と比較実験を行い,提案手法の有効性を示した.

Number of accesses :  

Other information