学位論文 決定木によるレポート評価のルール抽出に関する研究

金, 博匯  ,  キン, ハクカイ

pp.1 - 54 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
近年、CSCL(Computer Supported Collaborative Learning)による協調学習に基づいた学習者同士によるお互いの成果の相互評価手法であるピア・アセスメント(Peer Assessment)が注目されている。ピア・アセスメントが学習者をより自律的にさせ、学習動機を高める;他者の意見から学習者の内省を促進する;他者を評価することにより、他者の成果から学び、自己の内省を促すことができる経歴が似た学習者同士からのフィードバックは、理解しやすい教師の負担を軽減する学習者へのフィードバックのバラエティが広がる評価結果の信頼性は高くなるといった利点を持ち、現代の学校教育で重要な役割を果たしている。関連研究として、石橋らは、学生が書いたレポートをピア・アセスメントにより評価し、評価の総合得点を学習者にフィードバックしている。レポート作成時における学生の創意工夫を誘発し、学生は評価者の視点を意識してレポートを書くようになり、よいレポートを書くという方向に学生の動機づけを誘導すると報告された。藤原らは情報処理入門科目において、個々の学習者の評価特性を考慮してクラス全員のレポートの平均を補正したフィードバック機能をもったピア・アセスメント支援システムを使用した実践を行い、補正値をフィードバックされた評価者は評価能力が向上したが、補正前の評価値のみをフィードバックされた学習者の評価能力は向上しておらず、評価値を補正したほうが効果的ということを示した。しかし、学習者のレポート評価が、どのようなプロセスで行われているかは明らかにされていない。そこで本論文では、決定木によるレポート評価のルール抽出を行った。具体的には、学習者のレポートを、学習者にピア・アセスメントによって評価させる。その評価結果を用いて決定木を学習する。その際、レポートのピア・アセスメント評価項目を決定木のノードで表し、ルールを抽出し分析を行った。それにより、人がレポートを読んでいる時、構成と論証がより重視され、文献引用、表現方法、読みやすさなどの要因が的確にレポートの質に影響を与えているとわかった。また、評価者自身において男性が女性より採点の点数が低く、年上は年下ほど評価が厳しくなく、学生とパートに比べ、学生のほうは採点基準が厳しいといった結果を得た。そのようなレポート評価のプロセスを明らかにすることにより、学生が評価者の立場からレポートの作成能力を学べると考える。

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