Departmental Bulletin Paper 変動的時間選好の下での最適成長
Optimal Growth with Variable Time Preference

中島, 巖

52 ( 1 )  , pp.1 - 24 , 2017-07-14 , 専修大学経済学会
ISSN:0386-4383
NCID:AN00132359
Description
動的経済の展開において,過去の実績が現在や将来の実績の評価に影響を及ぼす異時点間依存性は,むしろ考慮の外に置かれ,逆に,異時点間独立性が措定される慣行が定着してきた。分析に援用される数学的便宜は,その大きな理由要因の一つであろう。異時点間依存性の導入の試みは,消費者の消費行動との係わりの中で展開され,過去の消費水準が一種の資本ストックとなって現在の消費水準,したがって効用水準に影響力を行使する習慣的消費(customary consumption)の場合と,過去の消費水準が現在から将来にまたがる消費水準からの効用に対する割引率に影響力を行使する変動的時間選好(variable time preference)の場合が,問題への関心高揚のための端緒を切り開いていくことになった。以下では,後者の場合が,新古典派経済成長論たる最適成長論の文脈の中で検討される。まず,離散的時間が想定され帰納的異時点間選好(recursive intertemporal preference)を適用し,消費の異時点間依存性のあり方が動的計画法のEuler方程式のタームで表わされ,次いで,変動的時間選好率が定義され,消費の異時点間依存性のあり方が異時点間代替性・補完性のタームで表わされる。次に,連続的時間が想定され,最適制御の方法により,定率的時間選好率と変動的時間選好率のそれぞれの場合について,新古典派最適成長をもたらす均衡経路の体系の動学が検討される。時間選好率の相違にも関らず,最適成長の均衡経路は鞍点安定性を満たすそれであることが帰結される。
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