Departmental Bulletin Paper 貨幣資本家と資本(3) : 今日の「金融化」を背景にして
Money Capitalist and Marxian Capital Theory (3)

清水, 真志

51 ( 3 )  , pp.71 - 109 , 2017-03-17 , 専修大学経済学会
ISSN:0386-4383
NCID:AN00132359
Description
原理論の資本形式は,資本の具体的な投資行動にたいして,分類用の「容器」と分析用の「原型」という二重の役割を果たす。近年では,資本形式をもっぱら分類用の「容器」として用いることが主流になりつつあるが,そのために分析用の「原型」としての使途を犠牲にして,資本形式論をたんなる要素還元論に傾斜させるべきではない。貨幣資本家をめぐる問題の根底には,資本主義の変容を論じる上での方法論をめぐる問題がある。宇野には,理論と現実とのギャップを過去の残滓として説明しようとする発想が強いが,この発想は,資本主義の変容を論じることは原理論の課題ではないというスタンスに由来する。しかし宇野には,過去から引き継がれる遺伝子的な要因によって現実を説明しようとする発想もある。これら二重の発想を反映して,宇野が商人資本的形式や金貸資本的形式のなかに読み取っている歴史性も両義的である。それは,資本主義以前(産業資本的形式以前)の残滓という意味での「ネガティブな歴史性」だけには限定されない。資本主義の変容の歴史と原理とを分別した上で,その変容の原理自体が「ある意味での歴史性」として取り出されているのである。
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