紀要論文 中山間地の集落芸能の継承と意味変容 : 長野県南佐久郡小海町親沢集落・人形三番叟の事例から
Succession and meaning transformation of folk arts in village : In the case of Nagano Prefecture Koumi town Oyazawa village-SAMBASO

牧野, 修也

6pp.73 - 85 , 2016-03-15 , 専修大学人間科学学会
ISSN:2186-3156
NII書誌ID(NCID):AA12515455
内容記述
本論は、長野県南佐久郡小海町親沢集落に伝承され継承されてきた人形三番叟の継承システムと継承システムの変化を論じたものである。この集落芸能は、元禄期に起源があるとされ、それ以降、集落の若者組によって継承されてきたものである。この芸能の特色は、それぞれの役を演じる者(役者)が「弟子-親方-おじっさ」と呼ばれる3つの段階を、それぞれ7年間合計21年間務めていくことにある。この関係は擬制的親子関係としてみることが、一生にわたる強い上下関係によって結ばれている。また、同じ代の弟子同士は苦労を共にした同志的つながりで結ばれていく。この2つの関係は、役者たちがムラの一員として生きていくための社会関係の基盤となっていく。上下関係の厳しさによる継承への忌避感や生業構造の変化や人口流出による若者人口の変化によって、継承する者の確保が、次第に困難になっていた。こうした危機的状況を、三番叟への出役資格を緩和することで対応してきたが、その方法も難しくなりつつある。そのため、継承存続の危機にあることが現状である。そのような状況にあって、三番叟を継承する役者たちの三番叟を演じることの意味づけも、かつての「家の後継者である」というものから「地域社会の一員としての自分を確認する」ということに変わりつつある。
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