Departmental Bulletin Paper 幕末社会変動の国際歴史社会学的研究(下)
A Study of International and Historical Sociology as to Social Change of the Last Days of Tokugawa Shogunate (Last)

川上, 周三

6pp.1 - 25 , 2016-03-15 , 専修大学人間科学学会
ISSN:2186-3156
NCID:AA12515455
Description
本論文は、幕末社会変動の実相に迫ることを目的としている。序論では、この目的とそれに接近するための課題の提起とその課題に沿って、章別構成を行ったことについて述べた。第2章では、本論の分析枠組みであるアルジュン・アパデュライのランドスケープ論・イマニュエル・ウオーラーステインの世界システム論・マックス・ヴェーバーの社会層論・アンソニー・ギデンズの構造化論・資源動員論・社会の4側面論について述べた。第3章では、江戸幕藩システムの概要を、政治システム・経済システム・教育システムに分けて論じた。政治システムでは、江戸幕藩体制の仕組みの概要、経済システムでは、江戸時代の米を基本とする封建経済の仕組みと商品経済の発展に伴う封建経済の揺らぎとその克服のための改革の概要、教育システムでは、幕府官僚の育成機関である昌平黌・長州藩の藩校明倫館と私塾の松下村塾・薩摩藩の郷中教育と洋学教育について論じた。第4章では、幕末社会変動の社会システム分析を、国際環境・経済・政治・思想に分けて分析した。国際環境では、鎖国体制とペリー提督の開国要求・下関戦争及び薩英戦争とその後の長州藩と薩摩藩の鎖国から開国への方針転換・薩長両藩の藩士のイギリス留学について論じた。経済では、薩長両藩の藩政改革について論じた。政治では、幕藩独裁政治、雄藩を加えた公武合体政治、一橋慶喜・松平容保・松平定敬の一・会・桑と孝明天皇・中川宮・二条関白の公武合体政治、大政奉還と倒幕について論じた。思想では、幕府公認の朱子学、その批判者としての古義学の伊藤仁斎、古文辞学の荻生徂徠、水戸学の相沢正志斎、国学者の本居宣長と平田篤胤を取り上げ、幕府政治の改革思想・朱子学思想の解体・尊皇思想の昂揚について論じた。幕末社会の4側面を5つの分析枠組みで分析した結果、幕府側は5つのランドスケープの結合が乖離しているのに対し、倒幕側は5つのランドスケープの結合が噛み合っていること、また、武士層と公家層だけでなく、農民層や商人層も倒幕運動に参加したこと、それにより、資源動員力で倒幕側が幕府側に勝り、それによって社会構造のルールの書き換えとしての構造化が起こり、幕府から明治への社会変動が生み出されたことが分かった。本稿では、第4章の(2)経済から第5章の結論までを論じている。
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