Departmental Bulletin Paper 資本概念の再検討(1) : 姿態変換・資本循環・資本前貸
Rethinking Marxian Capital Theory (1)

清水, 真志

50 ( 2 )  , pp.33 - 75 , 2015-11-30 , 専修大学経済学会
ISSN:0386-4383
NCID:AN00132359
Description
宇野は,マルクスの「貨幣の資本への転化」論を大胆に組み替えて,産業資本的形式の必然性を説くことに主眼を置いた独自の資本形式論を構築した。宇野の資本形式論によれば,資本の価値増殖は,商人資本的形式のような自発的なタイプか,金貸資本的形式のような自動的なタイプ,もしくは産業資本的形式のような自発的=自動的なタイプのどれかになるものと考えざるをえない。しかし資本を理解するためには,非自発的=非自動的なタイプの価値増殖をも理論化する必要がある。これは,フロー部分の姿態変換運動に寄生することで,姿態変換運動から外れたストック部分の評価値をも更新し,全体としての資本価値を殖やすというタイプの価値増殖になる。マルクスも宇野も,価値増殖と姿態変換という二つの概念をほぼ同義と見ているが,それらの微妙な意味の違いを明確にしなければ,非姿態変換型の価値増殖を説くことはできない。非姿態変換型の価値増殖は,在庫形成という方式に基づく。この方式が占める比重は,市場が組織化されるにつれて大きくなる。姿態変換が主になり,在庫形成が従になるのが姿態変換型であるとすれば,非姿態変換型ではこの主従関係が反転する。このタイプの価値増殖を理論化するためには,資本家の役割は売買活動に従事することにあるという伝統的な見方にたいしても,根本的な反省を加える必要がある。
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