Departmental Bulletin Paper 世代重複成長経済における赤字財政とインフレ財政
Deficit Finance and Inflationary Finance in a Growing Economy with Overlapping Generations.

中島, 巖

49 ( 3 )  , pp.65 - 90 , 2015-03-16 , 専修大学経済学会
ISSN:0386-4383
NCID:AN00132359
Description
財政赤字を背負う政府にとって, 赤字補填のための財源調達の1つの方法は, 国債発行による赤字財政である。しかしながら, かかる方法は長い伝統をもつ「国債の重荷」と呼ばれる将来世代に負担を強いる世代間の厚生再分配ないし移転の問題に直面しなければならない。かかる「国債の重荷」の問題に関しては, 間歇的に議論が活発化しては止むという歴史がある。1950年代末から60年代初頭にかけての議論の高まりは, 誤解も入り込んだ混迷の様相を呈するものであった。かかる混乱に対し, その解決への道筋を開いたのは, 1965年のDiamond の作業であった。それは, 世代間の厚生再分配ないし移転の問題に対処し得る世代重複型, かつ一般均衡論的枠組の提示であった。財政赤字補填の財源調達のもう1つの方法は, 貨幣の新規発行, すなわち貨幣創造によるインフレ財政のそれである。しかしながら, そこにはインフレーションの発生という国民感情に逆らう懸念が立阻る。しかるに, 上のDiamond の枠組は, かかる問題に対しても分析モデルとして, その有効性を発揮し得る。ところで, 上の問題のそれぞれを通じて適用される世間重複モデルにおいては, 政策変数は所与のパラメータとして扱われてきた。動学化が連続的微分方程式で記述されるにせよ, 離散的差分方程式で記述されるにせよ, 問題解決への関心は解のあり方の追求に集中されてきた。しかるに, 一旦パラメータを変化させると, 動学体系に不連続性が発生する可能性が出現する。分岐理論が主張する帰結である。以下では, 国債発行規模をパラメータとする赤字財政の場合と貨幣供給成長率をパラメータとするインフレ財政の場合とについて, パラメータの変化につれて鞍状結節分岐が発生する可能性が示唆される。
Full-Text

http://ir.acc.senshu-u.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=8453&item_no=1&attribute_id=15&file_no=1

Number of accesses :  

Other information