Departmental Bulletin Paper 通貨同盟における財政規律: 政府債務の波及効果とモラル・ハザードの視点から
Fiscal Discipline in a Monetary Union: Government Debt Spillovers and Moral Hazard

岩村, 英之

47pp.63 - 79 , 2015-03-31 , 明治学院大学国際学部
ISSN:0918-984X
NCID:AA12017709
Description
財政・政治の統合を伴わない,通貨だけの統合は長期的に維持可能であろうか。近年のユーロ圏における政府債務危機を契機として,共通通貨が生き延びるためには財政面での統合が必要不可欠であるという議論が勢いを得ている。その背景には,通貨同盟の成立によって同盟諸国が中央銀行による救済を期待し,放漫財政に走るという考えがある。同盟諸国の財政破たんと欧州中央銀行(ECB)による救済は,ユーロ圏に強力なインフレ圧力を生み出し,やがて人々はユーロを手放すとされる。しかし,このようなモラル・ハザードが起こるためには,ECB が同盟諸国を救済するインセンティヴを持つことが必要条件である。そして,ECB のインセンティヴのひとつの源泉は,一国の債務危機が同盟全体に及ぼす波及効果である。本稿では,単一通貨圏としての既存の連邦国家における地方政府債務の波及効果を推定した実証研究を比較検討し,(1)地方政府間の波及効果を支持できないが,(2)それらの研究が通貨同盟における波及効果を判断するには不十分であることを論じる。加えて,(3)多くの研究において貸し手のモラル・ハザードの存在が示唆されていることを明らかにする。
【論文/Articles】
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