学位論文 心あたたまるコミュニケーションシステムの提案 : 高齢者と離れて暮らす家族のために

許, 潔

pp.1 - 54 , 2016-03-25
内容記述
<背景> 現代の日本では核家族化が進み,高齢社会になり,平成23年内閣府「高齢者の経済生活に関する意識調査」のデータから見ると,独居生活の人数は増加し,28.8%男性の単身世帯と22.0%女性の単身世帯の一人暮らしの場合,人との交流が少ないことが分かった.60歳以上の高齢者の対象にして,孤立死(孤独死)を身近な問題と感じる人は2割に満たなかったが,単身世帯では4割を超えている.このことから,単身世帯のコミュニケーションの改善に対してケアが必要である.一方,技術の進歩により,直接会わなくても,IoT環境によりコミュニケーションができるツールが普及しつつある.コミュニケーションの使い勝手をめぐって調査した結果により,コミュニケーションの取りやすいきっかけを作るのは急務である.本研究では単身世帯の高齢者に向け,コミュニケーションの使いやすさに着目し,その家族とのつながりを保つシステムを検討した.<目的> 本研究では日常生活の中で基本動作により,コミュニケーションのきっかけを作り,単身世帯の高齢者にとって家族と良いタイミングで馴染みのある声である情報を共有し,お互いにつながりを深くし,コミュニケーションを手軽に行えるように促進するシステムを提案する.<提案に必要な要件の検討> 本研究で提案するコミュニケーションシステムは日常生活を送っている行動の中で自然にその状態を把握することができることをベースとする.また,情報を共有することで,単身世帯の高齢者と離れている家族とのコミュニケーションにより,つながりをお互い深め,安心な生活を促進する.まず,単身世帯の高齢者の場合のシステムについて説明する.各種多様なセンサーがついている日常生活の用品のある環境で,日常生活の中で必ず行う日常的な基本動作を通じて,コミュニケーションのきっかけとつくり,離れている家族など馴染みのある声による,あたたまる思いやりなどが伝わることを実現するシステムを考案した.高齢者は必要な情報をシステム側から自動的に提供される.馴染みのある声により,見にくかったり,読み上げにくい,文字の入力に時間がかるなど不便を避けて,感情の豊富さを向上させることを目指している.次に高齢者とは離れている家族の場合のシステムについて説明する.家族側は常に身につけて,単身世帯の高齢者の暮らし状態を提示してくれるプロダクトを持っていることとする.高齢者側のシステムから得た情報により,家族側からメッセージを送信ができる.また高齢者側が同じ動作が異常なほど長く続くと,異常として知らせる.以上の要件を満たすシステムの例として,本研究では以下のシステムを提案する.<新たなコミュニケーションツールの実例> 提案するシステムの有効性を図るため,単身世帯の高齢者が住む家の玄関に絞って,そこで機能するプロダクトと離れている家族が使うツールを組み合わせる.高齢者側のプロトタイプを「ただいまワンちゃんシステム」,家族側のプロトタイプは「指輪ツール」とする.まず,「ただいまワンちゃんシステム」について説明する.ただいまワンちゃんシステムは玄関や鍵置き場に置いてあるスマートキーフックである.単身世帯の高齢者は出かける時・家に帰る時,センサーで鍵を置く・鍵を取るという行動を行うことから,システムはその行動を判断し,離れている家族の馴染みの声により,出かける・帰る時に必要な天気予報などの情報,挨拶,あたたかいメッセージなどを受け取ることができる.例えば,雨の日,出かける時に,家族の馴染みのある声で「傘を持っていってね,いってらっしゃい」ようなあたたかい注意と見送りの挨拶を与えられる.また,「指輪ツール」について説明する.離れている家族が使うのは指につけるライトと押しボタンがついている指輪である.職場・家・買い物中・外出の道路上など場所で,ライトの色分けにより,単身世帯の高齢者の外出状況を把握することができる.そして,ただいまワンちゃんシステムから得た情報により挨拶,外出注意などの押しボタンで録音して,音声メッセージを送る可能である.さらに,単身世帯の高齢者の外出・在宅時間を設定し,設定した時間が超えると,指輪のライトが点滅することにより見守りの機能も存在している.<結論> このシステムの実験を通じて,離れているユーザーとのコミュニケーション機会を増やすものであることが示唆された.今後玄関だけではなくIoT環境を構築することにより家全体で,コミュニケーションのきっかけを作ることができ,遠く離れていても,近くに感じ,安心することができる生活を送れることが期待できる.例えば,リビングで食事する前に「薬を飲んでね」という家族の声で言ってくれたり,ベッドルームで朝起きる時に「腰の痛みは良くなりましたか」という友人の声でかけてくれたりする.特定の場所で特定の情報を提供し,離れているユーザーのあたたかいつながりを深く強める効果を期待している.さらに,お互いに安心して幸せになるような社会が創造できると考えている.
For solitary elderly people, communication problems became increasingly prominent in everyday life, so for them care is acute and mandatory. On the one hand, with the progress of science and technology, we do not need to encounter each other, but we can communicate in the Iot environment. The amount of these communication tools is increasing. So, I want to change the way of using communication tools, so it will be much more simplified and useful than before. Survey of communication study, showed us that market of creating new way of communication is very sparse. Usability communication tools investigation showed that the creation of opportunities for exchange of tools is still relatively few. In the paper, I created the new way of communication opportunities, I found a way of simplifying and making the operations more easy, by using the familiar voice of intimate information. Information can be provided and shared, allowing the two sides to deepen the way of communication. And emotional connection between users will be intensified.
首都大学東京, 2016-03-25, 修士(芸術工学)
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