Thesis or Dissertation CMFと感性表現との関係に着目したアゲハチョウの配色集の提案

梯, 絵利奈

pp.1 - 78 , 2016-03-25
Description
今日,製品における消費者ニーズが多様化しており,それに対応すべくCMF(Color, Material, Finish)に注目が集まっている.多様化するニーズに対し,自然にみられる色彩を利用することで,より感性価値の高い製品の提案ができると考えられる.自然の色彩に関する研究としては,主に発色構造や色素構成に関する研究が多く,その配色自体に着目した研究はあまり注目されていない.研究事例は少ないが,植物における色彩構成やその色彩調和の解明に関する研究は報告されている.ここから,本研究では色彩のバリエーションが豊富で,デザインのモチーフとしても用いられることの多いアゲハチョウの色彩に着目し,アゲハチョウの特徴を活かしたCMFデザインへの提案を試みた.本研究ではアゲハチョウの翅にみられる色彩傾向とその色彩調和の解明及びアゲハチョウの特徴を活かしたCMFの見本帳を提案することを目的とする.特にアゲハチョウが女性の象徴として扱われる点に着目し,女性を表現する製品のCMFへの応用性を検討する.このことは,製品デザインに対する多様な嗜好性への対応として,より感性価値の高い製品を提案することへの一助となるものと考えられる.本研究では51種のアゲハチョウを対象とし,その色彩傾向を調査した.方法としては,PCCSを用いてグルーピングを行い,各グループの配色傾向から全体の傾向をまとめた.その結果,対象とした51種のうち48種のアゲハチョウは10グループに分類され,配色パターンは「二極化」34種と「分散」14種の2パターンに分類された.「二極化」の色彩傾向においては,対照と類似の多様な組み合わせによる配色の偏りがみられ,1. 類似トーン+対照明度, 2. 類似トーン+対照彩度, 3.類似明度+対照明度, 4.類似彩度+対照彩度, 5.対照明度の5つの特徴にまとめられた.この配色パターンは,既存の色彩調和論に適合することがわかった.また,「分散」の色彩傾向においては,べ一スカラーの低明度無彩色と対照明度の組み合わせに,中明度のアクセントカラーによって構成されていた.なお,「分散」にみられる色彩傾向においては,既存の色彩調和論に適合するものがみられなかった.これらの結果から,二極化の色彩を用いた配色集を提案した.次に,アゲハチョウの色彩にみられる女性らしさの構成要因の調査を試みた.予備実験の結果から得点の高かった10刺激のカラーバーを用い,女性らしさに関する26項目に対する主観評価実験を実施した.男女別に因子分析を行ったところ,女性の実験参加者においては5因子が抽出され,第一因子は洗練性因子,第二因子は頑強さ因子,第三因子は素朴さ因子,第四因子は冷厳さ因子,第五因子は艶かしさ因子と名付けた.なお,素材感を表す語のうち粗滑感は第二因子,つや感は第三因子,柔硬感及び冷温感は第四因子に含まれた.また,男性の実験参加者においては4因子が抽出され,第一因子は洗練性因子,第二因子は平静さ因子,第三因子は冷厳さ因子,第四因子は逞しさ因子と名付けた.なお,質感を表現する語のうち粗滑感は第一因子,柔硬感及び冷温感は第三因子に含まれた.これらの結果から視覚的な質感表現である粗滑感及びつや感の含まれた因子軸を採用し,各刺激の印象に即した素材を付加した素材サンプル集を提案した.本研究ではアゲハチョウにおける色彩傾向及びその応用性を検討した.アゲハチョウの色彩傾向を調査したところ,「二極化」の配色グループは既存の色彩調和論に適合していた.現代の配色体系は既存の色彩調和論をもとに確立されていることから,本研究において提案した配色集はデザインのCMFにおいて調和した色彩を得る手段としての有効性が期待される.アゲハチョウの色彩における女性らしさの因子分析から,配色の印象に即した質感を対応させた素材のサンプル集を提案した.本研究で提案した素材サンプル集は,演出したいイメージの色彩に即した質感の素材を付加し,女性を表現する製品の提案における支援ツールとしての有効性が期待される.
In this study, we tried to research color trend for swallowtail butterfly and make clear component factor of femininity. The color of the swallowtail butterfly has been classified “Bipolarization” and “Dispersion”. Features of bipolarization were classified into the following five. 1. Similar tone + contrast lightness 2. Similar tone + contrast saturation 3. Similar lightness + contrast lightness 4. Similar saturation + contrast saturation 5. Contrast lightness. The feature of the dispersion was composed of two colors contrast brightness and medium lightness accent color. Incidentally, bipolarization is consistent with the existing color harmony theory, but dispersion was not met. Next, to practicalize the color of the swallowtail butterfly, we made a subjective evaluation experiment. In preliminary experiments, to create the color bar, and 10 stimulus from classified species to bipolarization has been extracted. Using these, we were evaluated for items related to femininity and texture. As a result, Sophistication factor, robustness factor, rutic factor, grim factors, charming factors have been extracted from a woman's evaluation data. From here, we employed a factor axis that contains the word about the visual texture expressing, and saw the correspondence of the color scheme and materials. Based on the experimental results, we propose a CMF sample book in color of the swallowtail butterfly. This sample book is composed of a color scheme collection and material sample collection. In the color scheme collection, we posted the color of bipolarization. In addition, in the material sample collection, we posted material suitable for the image to the color of each stimulus. In conclusion, color harmony has been suggested in the color pattern of bipolarization. Further, the sample book of CMF proposed in this study, we can easily get the colors in harmony, and it is possible to propose a combination of materials suitable for the impression of each color.
首都大学東京, 2016-03-25, 修士(芸術工学)
Full-Text

https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=6549&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1

Number of accesses :  

Other information