Thesis or Dissertation 天文観測向けの汎用バスを用いた超小型衛星における動的電力運用の検討

黒元, 貴大

pp.1 - 49 , 2016-03-25
Description
超小型衛星は現在では技術の成熟によって,本格的な理学ミッションを担うまでに性能が向上し,天体観測などの実用的な宇宙ミッションに従事することも狙われている.しかし,電力異常などにより打上げ後の成功率は高くはない.加えて,消費電力の動的変化への対応力も備わっていない場合が多い.さらに人工衛星の開発は通常,ミッション要求からのトップダウンの形で行われるが,この方式では開発費用が嵩んでしまう.また,超小型衛星は確かに低コストではあるが,単位質量あたりのコストは大型の人工衛星とはほとんど変わらない.そのため,開発コスト削減のため超小型衛星においても汎用的なバス部の開発が考えられている.以上のことから本論文では挑戦的な理学ミッションを継続的に行うことを前提とするため天文観測を行うことを目的に汎用化されたバスに焦点を当て,発電量と消費電力,蓄電量を考慮し観測時間を最大化することと,予期しない発電能力の低下や異常電力消費などの電力異常に対する電源能力喪失の回避をする動的電力運用を行うアルゴリズムを提案し検証した.超小型衛星の動的な電力運用を実現するために,動的計画法をべ一スとしたアルゴリズムを提案した.このアルゴリズムを用いた電力運用のシミュレーションを行うにあたり,まずこのシミュレーションを同条件のハードウェア実験によって評価した.そして,天文観測向けの汎用バスを用いた超小型衛星において運用シミュレーションを先のアルゴリズムのもとで行った.超小型衛星で使用される太陽電池や二次電池の諸元と,サブシステムごとで使用する機器とシーケンスによって変わる消費電力を考慮し,軌道と衛星自身の姿勢から太陽光の角度を算出し,運用シーケンスを定義し,天体の観測時間の長さを調べた.そして適用しない場合との比較を行うことでさらに評価を行った.以上の結果より天文観測向けの汎用バスを用いた超小型衛星に対して,動的計画法を用いた電力運用アルゴリズムを提案し,運用シミュレーションによって評価を行った.それにより,天文観測を行う超小型衛星のバス部の汎用化に伴いミッションごとに対応した運用方法になり得ると考えられる.
首都大学東京, 2016-03-25, 修士(工学)
Full-Text

https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=6493&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1

Number of accesses :  

Other information