学位論文 パワーデカップリング形パワーコンディショナの低力率動作特性に関する研究

瀨田, 雄介

pp.1 - 118 , 2017-03-25
内容記述
近年,世界的に高まるエネルギー需要や温室効果ガスの排出削減に向けて,再生可能エネルギーが注目を浴びている。その中でも家庭用太陽光発電は,固定価格買取制度(FIT制度)の導入等によって更なる普及が期待されている。家庭用太陽光発電システムでは,太陽光パネルで発電された直流電力を昇圧チョッパ回路によって昇圧し,その後パワーコンディショナ(PCS)によって50Hzまたは60Hzの交流系統に連系する。一般的に昇圧チョッパ回路では,太陽光パネルから供給可能な最大電力を得るために最大電力点追従(MPPT)制御機能が付加されている。一方でPCSの入力部では系統の2倍周波数で電力脈動が生じる。この電力脈動はMPPT制御に悪影響を及ぼすため,PCSでは入力部における電力脈動の低減が要求される。現在市販されているPCSでは,PCSの入力部に大容量電解コンデンサを並列接続する事で電力脈動を低減している。しかし,大容量電解コンデンサは短寿命であるため,先行研究では小容量のフィルムコンデンサを適用可能なパワーデカップリング回路を開発し,電力脈動の低減とPCSの長寿命化を両立する研究がなされてきた(パワーデカップリング形PCS)。更に家庭向け太陽光発電の普及に伴い,PCSにはLow Voltage Ride Through(LVRT)や受電点電圧上昇抑制等の機能が要求される。これらの機能に対して,本研究ではPCSの低力率運転に着目した。低力率運転によって系統インピーダンスでの電圧降下が調節可能となるため,PCSの出力電圧の保持や抑制が可能となる。LVRT機能は,1秒未満の系統電圧の瞬時低下に対してPCSが運転を継続する機能である。運転継続の際には,系統と並列に接続されている家庭電気製品の運転継続の観点から,PCSの低力率運転により出力電圧の保持が要求される。受電点電圧上昇抑制機能は,家庭用太陽光発電の普及により各家庭の太陽光パネルからの電力供給が増大した場合に,受電点電圧が電気事業法で定められた範囲を超えてしまうため,受電点電圧の上昇を抑制する機能である。この受電点電圧の抑制に対して,本研究で着目するPCSの低力率運転は有効と考える。以上を踏まえると,パワーデカップリング形PCSにおける低力率運転の性能評価は極めて重要である。そこで本研究では,PCSの長寿命化を実現したパワーデカップリング形PCSにおいて,低力率動作特性をシミュレーション及び実験にて検証した。まず提案回路であるパワーデカップリング形パワーコンディショナにおいて低力率運転が可能であるかどうかを確認し,その後低力率運転に対応可能な制御システムを考案した。また,インバータ部及びパワーデカップリング回路部それぞれの制御について,制御器の設計と安定性解析を行った。最後に,シミュレーション及び実験を行い,力率1及び低力率において,提案回路が機能し電力脈動を低減できる事を確認した。また,提案回路がLVRT機能に対応可能であるかどうかを検証するために,力率急変試験を行い提案回路のLVRT機能への対応可能性を示した
首都大学東京, 2017-03-25, 修士(工学)
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