Thesis or Dissertation 散乱線を利用した乳房用X線装置のX線出力測定の可能性

秋葉, 保奈美

pp.1 - 49 , 2017-03-25
Description
2015年6月,医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)による診断参考レベル(DRL)が策定された.この中で,マンモグラフィのDRLは“平均乳腺線量(AGD)2.4 mGy”という数値が示されている.これらのことを受け,受診者個々の被ばく管理や装置の精度管理は今まで以上に重要となる.AGD算出のためのX線出力の測定点には,検査中はこの位置に受診者の乳房が位置するため線量計を配置することは不可能である.リアルタイムで被ばく線量を測定するためにIVR等では面積線量計を用いているが,マンモグラフィ領域は低エネルギーX線での撮影であり,面積線量計を照射口に取り付けると線質硬化が顕著となり画質が低下してしまう.したがって受診者の撮影中は個々のAGDを測定することができないのが現状である.そこで本研究では,受診者ごとのAGDを把握するために,線質を変えずにX線出力を測定する方法の基礎検討を行った.線質を変えずにX線出力を測定するために,付加フィルタからの散乱線を利用した.これまで,この手法に関する報告は見られない.付加フィルタはX線源装置内に搭載されているため,線量計もX線源装置内に配置する必要がある.したがって,微弱な散乱線を検出でき、かつ大きさの小さい半導体線量計を用いることにした.半導体線量計は感度が良いので散乱線の測定には適しているが,入射方向の依存性かつ温度による影響が大きい.そこで,①半導体線量計の温度特性,②半導体線量計の入射方向特性,③付加フィルタと線量計検出部の角度特性,④付加フィルタからの散乱線スペクトル,⑤散乱線量と付加フィルタ透過線量の関係について評価した.本研究の結果,最適であると考えられる測定条件を以下に示す.①温度特性があるため,半導体線量計は常に冷却すること.②付加フィルタ中心と半導体線量計検出部中心を結ぶ直線が線量計検出部検出面と常に直交していること.③線量計検出部が一次X線を遮蔽しない角度でできるだけ付加フィルタと対向していること.この配置で測定した散乱線量に,ターゲット/付加フィルタごとにそれぞれ校正定数を乗じることで,受診者ごとのAGDを把握できる可能性があると考える.また半導体線量計をX線源装置内に配置することで,近年普及し始めているデジタル乳房トモシンセシス(DBT)における乳房へのX線射入に関しても応用できるのではないかと考えられる.
首都大学東京, 2017-03-25, 修士(放射線学)
Full-Text

https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=6225&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1

Number of accesses :  

Other information