学位論文 中国語を母語とする日本語学習者による外来語の聞き取りと産出 : 英語の語彙知識と日本語特殊拍の影響

徐, 陽

pp.1 - 42 , 2017-03-25
内容記述
中国語を母語とする日本語学習者(以下CNSと略す)にとって、日本語の外来語の習得は難しいとされているが、英語の語彙知識を有しているため、原語が英語である日本語の外来語の場合、英語の知識をヒントとしているのである。しかし、CNSにとって、中国語(L1)、英語(L2)はいずれもシラプルを基本単位とする言語で、特殊拍は存在しない。そこで、本稿はCNSの外来語における特殊拍の聞き取りと産出の際に、英語の語彙知識がヒントとして用いられているかについて明らかにするため、有意味語と無意味綴りの刺激語を用いて、聞き取りテスト、産出テストを行い、フォローアップインタビューも行った。本調査の結果、聞き取りでは、CNSは日本語の外来語における特殊拍を聞き取る際に、英語の語彙知識はヒントとして用いていることが明らかになった。さらに、学習期間の上位群にとって、英語の語彙知識が正の影響を与えやすい。最後に、誤表記の特定傾向について、欠落の間違いパターンが最も多いことも分かった。産出では、CNSは日本語の外来語における特殊拍を産出する際に、英語の語彙知識はヒントとして用いていることが明らかになった。さらに、産出の際に、英語の語彙知識は早い段階ですでにCNSに影響を与えていると考えられる。最後に、産出における特殊拍の間違いの傾向について、欠落の間違いパターンが最も多いことも分かった。調査対象者の内省から、CNSは日本語の外来語を習得する際に、英語の語彙知識を援用していることが分かった。特に、特殊拍の部分に関しては、英語の語彙知識を援用する調査対象者は、形態的知識を多用していることが明らかになった。これらのことから、CNSの外来語における特殊拍の聞き取りと産出の際に、英語の語彙知識がヒントとして用いられていること明らかになった。その現状に配慮し、外来語指導や音声教育を向上させるため、借用語適応の規則をCNSに明示すべきだと考えられる。
首都大学東京, 2017-03-25, 修士(日本語教育学)
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