学位論文 日本語学習者と日本語母語話者の和語動詞と漢語動詞の使用実態の差異 : 作文・意見文を中心に

徐, 晗智

pp.1 - 56 , 2017-03-25
内容記述
最近、やさしい日本語の研究がよくなされており、文章の硬さ、柔らかさは和語と漢語の使用率に関係があり、漢語動詞を和語動詞に書き換えると文章をやさしくする効果があることが証明された。筆者が書いた学術的なレポートや論文は、多少日本語母語話者が書いたものと異なり、子供っぽいと感じ、言語運用のコンプレックスを感じてしまう。そこで、考えたのは、文章の硬さ、柔らかさには、漢語動詞の多用が影響を与えているのではないかということである。本研究では、そのような仮説を立てて、今回の研究で明らかにしたいのは三点である。①日本語母語話者と学習者の和語・漢語動詞の使用率の差異を明らかにする。②和語・漢語動詞の使用率は文章の内容に関係しているかどうか、さらに、和語動詞と漢語動詞の使用率の観点から、学習者と日本語母語話者が一致するのかどうかを明らかにする。③学習者と日本語母語話者の和語・漢語動詞の使用差異を引き起こす原因を明らかにし、また、書き換え候補となる和語動詞と漢語動詞のペアを学習者に提案する。そこで、本研究は『日本・韓国・台湾の大学生による日本語意見文データベース』と『YUN書き言葉コーパス』を用いて、量的研究と質的研究を行った。その結果、「意見文データ」において、学習者の漢語動詞の使用は日本語母語話者より少ないことが明らかになり、レポートなどのやや硬い文章を書く際に、文章の「硬さ」が足りず、これが不自然な文章だと思われる原因だと考えられる。次に、『YNU書き言葉コーパス』を調査した結果、和語動詞と漢語動詞の使用頻度は文章の内容に関係があることがわかった。そこで、和語動詞と漢語動詞が多用するタスクとそれぞれの特徴をまとめた。このように、和語動詞と漢語動詞の使用率において、母語話者と学習者の使用差異があることを明らかにした。最後に、「意見文データ」と『YNU書き言葉コーパス』のデータを用いて、母語話者と学習者で、和語動詞と漢語動詞の使用に差異が見られた語をいくつか取り上げた。そして、母語話者が多用し、類義語関係にある和語動詞と漢語動詞で書き換え候補となるペアを提案した。
首都大学東京, 2017-03-25, 修士(日本語教育学)
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