学位論文 高精細Diffusion-weighted Imagingを用いたパーキンソン病における黒質線条体ドパミン作動性ニューロンの微細構造変化の検出に関する研究

錦織, 瞭

pp.1 - 47 , 2015-03-25
内容記述
近年進歩が目覚ましいMRIを使ったテクニックの中には,水分子の挙動を画像化する拡散強調像(Diffusion-Weighted Imaging: DWI)や,テンソル解析を用いて拡散異方性を考慮し,脳の構造推定を行う拡散テンソノレ画像(Diffusion Tensor Imaging: DTI)などがある.これら拡散MRIを用いて神経変性疾患を評価した臨床研究は多数報告されているが,この2つのテクニックは水分子の拡散が正規分布に従うということを前提としており,実際の生体内の環境とは乖離している.一方,拡散MRIの新しい解析方法である拡散尖度画像(Diffusional Kurtosis Imaging: DKI)では水分子の拡散の正規分布からの逸脱を定量化することができるテクニックであり,神経変性疾患への応用が試みられている.拡散MRIの解析に用いる画像データの取得方法も進歩しており,折り返しを生じることなく小さな撮像視野(Field-Of-View: FOV)を設定することができるzoomed Echo Planar lmaging(zoomed EPI)というテクニックが登場した.これにより,ゆがみの少ない高空間分解能の画像データを得ることができるようになった.パーキンソン病(Parkinson's Disease: PD)において,神経病理学的モデルを反映した画像をドパミントランスポーターSPECTにより取得できるという報告は存在するが,MRIを使用してそれと一致する所見の画像を得たという報告はまだ存在しない. 本研究は首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会(承認番号14085)および順天堂大学医学部付属順天堂医院病院倫理委員会(承認番号471)の承認を受けて実施している.本研究では,神経内科医師によってPDと診断された患者20名(無動一筋強剛優位型PDIO名,振戦優位型PDIO名)と,健常成人10名に対し,zoomed EPI法を使用して取得したmultiple b-value DWIをDKJにて解析することにより,PDの臨床サブタイプごとに異なった黒質線条体ドパミン作動性ニューロンの微細構造の変化を検出することを試みた.本研究で得られた結果は,神経病理学的所見と一致したものであり,Mean Kurtosis値はPDにおける基底核の微細構造の変化を捉えることができると期待される.本研究の手法は非侵襲的に神経病理学的モデノレを反映した画像を得ることができると考えられ,PDの画像診断の一助となる可能性がある.
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