Thesis or Dissertation EPIDの幾何学的変位と散乱光子補正による位置照合画像の画質改善に関する研究

針生, 将嗣

pp.1 - 64 , 2015-03-25
Description
画像誘導放射線治療(Imageguided radiation therapy; IGRT)は,治療計画時に取得される基準画像と照射時に取得される二次元または三次元画像を照合し,治療時の患者位置変位量を計測,修正する照射技術とされている。これにより,治療計画で決定した照射位置を可能な限り再現する。リニアックを用いたIGRTとして,Digitally reconstructed radiography (DRR)画像とMegavoltage (MV) ポータル画像を用いた画像照合や,治療計画CTと照射時のMV cone beam CT (MVCBCT)を用いた画像照合などがある。治療計画CTおよびその二次元再構成によるDRR画像は基準画像であり,MVボータル画像およびMVCBCTは,Electronic portal imaging device (EPID)と治療ビームにより取得される治療前の画像である。これらの画像上に認識される骨格造,臓器の輪郭,金マーカ等の位置誤差を画像照合用ソフトウェアにより計測,修正する。よってMVポータル画像, MVCBCT画像は,比較対象の位置情報を正確に特定するための良好な画質が求められる。しかし,これらの画質が低下する原因として,装置の幾何学的変位やEPlDに入射する散乱光子が挙げられる。装置の幾何学的変位はガントリ回転時の重力によるビーム軸の変位,EPIDの自重による変位,ネジレ等により生じる。一方,EPIDに入射する散乱光子は,MV領域のエネルギーをもつ光子と人体の主な相互作用であるコンプトン散乱により放出されたものを主とする。よって本研究では,まず幾何学的変位測定用ファントムを開発し,ガントリ回転時における装置の幾何学的変位量を測定した。その結果より,MVCBCTのボケにつながる因子がEPIDの三次元的変位であることを明らかとした。またEPIDの変位補正を可能としたFeldkamp, Davis and Kress再構成アルゴリズムベースのプログラムを開発したことにより,MVCBCTのボケが視覚的, 客観的に改善されることを確認した。これにより,幾何学的変位測定の必要性,開発したファントムとその測定法の有用性,開発した再構成アルゴリズムにおける変位補正の合理性が確認された。次に,散乱光子補正のため,EPlDに入射する散乱光子の寄与をモンテカルロ(MC)シミュレーションにより詳細に解析した。従来のMCシミュレーションは長時間を要するため,コンプトン散乱に注目したMCコードを開発し計算時間の短縮を試みた。開発コードの信頼性はEGS5とのベンチマークテストにより確認した。また電子の計算を含むEGS5に対し本手法による計算時間を1/26に短縮した。一方,光子の計算のみのEGS5とはほぼ同じ計算時間を要したが,開発コードはマルチスレッドを用いた並列計算に対応しているため,GPU実装による更なる高速化が期待出来る。散乱光子の補正は解析データと本研究で考案した補正法により行った。MVポータル画像から散乱光子成分を除去し,除いた散乱光子を一次光子の状態に戻しEPlDに再投影することにより,コンプトン散乱光子を多く放出する物質の濃度値を向上させることを可能とした。また本補正法の応用により,任意の物質を選択的に強調,抑制した画像が取得可能となることが示唆された。
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