Thesis or Dissertation スピン電磁場と電磁波の結合理論

川口, 秀雄

pp.1 - 45 , 2015-03-25
Description
強磁性を示す金属中では、空間的に変化する磁化構造の存在及び磁化と伝導電子スピンの間に生じる強いsd交換相互作用のため、伝導電子スピンに作用する有効的な電磁場(スピン電磁場)が発生することが知られている。本研究では、電子スピンに作用する有効電磁場が電荷に作用する通常の電磁場とどのように結合(相互作用)するのかという問題を、場の量子論における手法である径路積分の方法に基づいてゲージ場(通常の電磁場を記述するU(1)ゲージ場と磁化構造の非一様性を記述するスピンゲージ場)に対する有効ハミルトニアンを導出し、議論する。その結果、有効ハミルトニアンが後述する3つの相互作用項で書けることが明らかになり、以下のことが判明した。(i) 相互作用項の中でも特に、外部電場とスピンゲージ場の断熱成分との積で記述される相互作用項が最も支配的な結合項になっていることが理解される。この項は先行研究において指摘されているスピン移行効果を表している。(ii) 外部電場とスピン電場の間の結合項は、外部電場の周波数が小さい領域ではスピン移行項による寄与よりもはるかに小さい。(iii) 外部磁場とスピン磁場の間の相互作用からは、弱強磁性を示す分子磁性体に一様な外部磁場をかけた場合に、非自明なフラストレーションが起こることが期待される。また本研究ではこれらの結果に加えて、今まで指摘されていなかったスピン波励起による電圧生成のメカニズムを明らかにした。波数と振動数が異なる2つのスピン波の非線形な効果により、スピン電場を誘起できる。本論文では、まず研究背景として1. イントロダクションでスピントロニクスにおいて重要な概念であるスピン移行効果を紹介するのと同時にスピン電磁場の導入を簡単に行い、研究目的を述べる。2. 有効ハミルトニアンの方法では電磁場中の金属強磁性体の伝導電子を記述するモデルを導入し、電子系をtrace outすることでゲージ場に対する有効ハミルトニアンの導出を行う。3. ディスカッションで結果を詳細に述べる。
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