紀要論文 知的障害教育の場の「集団社会」的機能に関する論理構成-三木安正の精神薄弱教育論を手がかりに-
The Logical Structures in the Group Function in Education for Children with Intellectual Disabilities: Implications from Education Theory of Education for the Mentally Retarded by Yasumasa Miki

堤, 英俊  ,  TSUTSUMI, Hidetoshi

(82)  , pp.29 - 50 , 2015-10-20 , 都留文科大学
ISSN:0286-3774
NII書誌ID(NCID):AN00149431
内容記述
 本研究の主要な目的は、戦後日本の知的障害教育の創成期(1940 年代後半から1960 年代前半)におけるオピニオンリーダーであった三木安正の精神薄弱教育論を手がかりにしながら、分離型システム下の知的障害教育の場(特別支援学級・特別支援学校)の「集団社会」的機能に関する論理構成を明らかにし、考察することにある1。具体的には以下の二つの作業を行った。 第一に、三木の精神薄弱教育論を教育思想として読みなおす作業を行い、①「パーソナリティ」総体の特異性と社会的適応の困難性として定義される「精神薄弱者」、②「知能的優越者」の支配する社会とその社会に「精神薄弱者」が参加していくために取りうる方略、③「生産人」生活を見越した教育の構想、④「集団社会」的教育の場としての特殊学級・養護学校、という4 つのカテゴリーに分けて、それぞれにおける議論を整理するとともに諸概念のつながりを解読した。第二に、解読した三木の精神薄弱教育論を手がかりにしながら、知的障害教育の場の「集団社会」的機能に関する論理構成について考察した。知的障害教育の場が、単に「社会性(社会生活能力)」や「対人関係」の実地的訓練という意味合いだけでなく、手仕事や体仕事を生業とする「生産人」を他律的に育てるという方向性と自律化を促進するという方向性とを可能な限り矛盾なく調和させ、知的障害児のモチベーションを「生産人としての自覚」「生活の自立」に一本化させる機能を有する「生活協同体」的空間として構想されていたことが明らかとなった。
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http://trail.tsuru.ac.jp/dspace/bitstream/trair/713/1/%ef%bc%b9-082029.pdf

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