紀要論文 豚、奴隷、家畜商がつくり出したもうひとつの世界 : アンティベラム南部社会再考
The Other World Made by Hogs, Slaves, and Drovers

沼岡, 努  ,  NUMAOKA, Tsutomu

48pp.43 - 58 , 2017-01 , 新潟産業大学経済学部
ISSN:1341-1551
NII書誌ID(NCID):AN10492758
内容記述
この小論は、従来「綿花王国」の陰に隠れ正しく位置づけられてこなかった共同地利用、豚の飼養、さらには「豚追い」(ホッグ・ドライヴ)などの側面を検討することにより、「もうひとつの」アンティベラム南部社会を再確認するものである。南部にはケルト系移民が18世紀初頭から19世紀前半にかけて多数移住してきた。彼らは母国と環境が似ている高南部、中でもケンタッキー、テネシー、ノース・カロライナに特に集住した。当時南部には開放牧地制が見られたが、それはまさにケルト系移民の母国での何世紀にもわたる伝統的慣習だった。彼らはトウモロコシ生産、共同地を利用した家畜飼育、とりわけ豚の飼育に力を注いだ。アンティベラム時代に入り奴隷制に立脚した綿花生産が勢いを増すと、奴隷の常食であるトウモロコシ、豚肉の需要が急速に増大した。これに応えるため、高南部ではトウモロコシと豚を深南部綿花地帯に輸送する商業的農業が発達した。生きたまま豚を深南部市場へ送る豚追いルートが形成・発達していった。それは高南部と深南部をつなぐ食の動脈となったが、単なる物理的輸送路ではなく、両地域間に緊密な関係を構築すると共にプランター階級、一般農民、奴隷とをつなぎ、「もうひとつの」南部を現出させるという重要な役割を果たしたのである。
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http://nirr.lib.niigata-u.ac.jp/bitstream/10623/69766/1/48_43_58.pdf

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