紀要論文 アジアインフラ投資銀行(AIIB)とTPP
Asian Infrastructure Investment Bank(AIIB)and TPP

星野, 三喜夫  ,  HOSHINO, Mikio

45pp.25 - 40 , 2015-06 , 新潟産業大学附属東アジア経済文化研究所
ISSN:1341-1551
NII書誌ID(NCID):AN10492758
内容記述
中国主導で57か国の参加を得て設立されようとしているAIIBは、中国がその影響力を持つ経済圏を作るための「中国の、中国による、中国のための銀行」である。AIIBは戦後米国が主導してきたブレトンウッズ体制に対する中国の挑戦であり、設立されればその影響は日本やアジア、世界全体に及ぶ。AIIBは透明性やガバナンス、債務の持続可能性に懸念があり、日本は「バスに乗り遅れるな」といった経済的実利や損得ではなく、AIIBが既存の国際開発金融機関の高いスタンダードを満たし、アジアにおけるインフラ需要に公正なルールで貢献する機関となり、その透明性やガバナンスが担保されるかを慎重に見極めて、今後、参加の判断をすれば良い。日本は、一方でIMF改革や、ADBの増資と融資枠の拡大、融資の迅速化、効率化を進め、また既にある日本の国際協力銀行や国際協力機構、民間銀行との協調融資等を通じ、財務、人材、技術面から旺盛なアジアのインフラ需要に積極的に応えながら、他方で広い意味での政治安全保障の観点から、人権や民主、自由がなく三権分立を欠く一党独裁の中国が北京で設立し、主導しようとするAIIBの本質や狙いを見抜いた上で、アジア・太平洋地域の経済枠組みとして「普遍的価値」を共有する国によって作り上げるTPPを、米国と歩調を合わせて早期合意させる努力がこれまで以上に望まれる。
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http://nirr.lib.niigata-u.ac.jp/bitstream/10623/50867/1/45_25-40.pdf

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