Departmental Bulletin Paper 中国内モンゴル自治区におけるプロジェクト制農村開発に関する研究 : 武川県五福号村を事例に

蘇徳斯琴  ,  佐々木, 達

Description
研究ノート
Note
本研究は,内モンゴル自治区中部の武川県農村地域を事例に,プロジェクト制農村開発の実態と課題を検討することを目的とした。プロジェクト制農村開発は,2000年代に入って本格的に実施されてきた新しい社会管理の方法である。これは,国家による財政出動を通じた公共投資や社会資本整備を推進するだけでなく,地域経済の発展や安定化にも貢献できるものとして期待されている。また,各種のプロジェクトを通じて配分される資金は,民間部門の成長を促す契機となることで,国営企業のシェアが高い中国にとって市場競争を活発化させるものとしても注目され始めている。プロジェクト制農村開発は,三農問題を効率的に解決できる方法という意味だけでなく,企業や政府が主導的に国民経済の構造調整機能を果たしていく地域経済の再編方法として位置づけられている。しかし,事例調査によれば,プロジェクトの計画段階で関与しているのはごく一部の農民層に限定されていること,および各地域の自然条件,社会経済的条件を反映した持続性や効率性を重視した計画とは限らず,短期的な成果のみが追求されていることが示された。結果として,プロジェクト制農村開発は,農村の持続的な所得増加をもたらすには至らず,地域資源の荒廃化と地域経済の停滞の一端を招いている傾向が認められる。今後は,農村の主体形成と持続可能性を視野に入れた開発のあり方が模索されるべきである。
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http://sgulrep.sgu.ac.jp/dspace/bitstream/10742/1996/1/KZR-10-013.pdf

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