Departmental Bulletin Paper ウィラ・キャザーとドロシー・キャンフィールドとの不和 : 「横顔」における傷痕の意味するもの
The Discord Between Willa Cather and Dorothy Canfield : The Meaning of the Scar in "The Profile"

高橋, 勇二

36 ( 2 )  , pp.91 - 110 , 2015-03-16 , 龍谷大学龍谷紀要編集会
ISSN:02890917
NCID:AN00338616
Description
キャザーとドロシーは14年間親友でいたが、キャザーが1905年に出版した『トロールの庭』が原因で、絶交状態になる。その原因はそこに収められるはずであった「横顔」("The Profile")のモデルにあった。イヴリン・オズボーンはドロシーがパリに留学していた時の親友であったが、顔の左側に醜い火傷の痕があった。パリでひと月近くオズボーンと共に過ごしたキャザーが、彼女をモデルにした短編「横顔」を書いたのだ。まず初めに、「横顔」が『トロールの庭』からどのような経緯で削除されることになったのかを、二人の書簡から考察した。その後で、もしオズボーンがこの作品を読んだら、自殺をするかもしれないと、ドロシーが強く懸念した「横顔」とは、どのような作品なのかを解明すベく考察を行った。主人公のダンラップはパリで人気の肖像画家である。ふとしたことから、ヴァージニアという女性の肖像画を描くことになるが、彼女の顔の左側には醜い火傷の痕があった。ダンラップは美を追求する画家なのに、時間とともにその醜の虜となり結婚する。愛が妻の傷を癒してくれるものと信じていたが、騎士道的なその愛を、押しつけがましく感じたヴァージニアは、二人のエレノアというやはり醜さのある女たちを、まるで魔法をかけたかのように、再婚相手、あるいは子供としてあとに残して、出ていってしまう。実は、そのような構図が物語の冒頭に置かれたプロローグの中に、『キルケの豚』の絵として暗示的に示されていたのである。
Full-Text

http://repo.lib.ryukoku.ac.jp/jspui/bitstream/10519/5885/1/r-ky_036_02_007.pdf

Number of accesses :  

Other information