Departmental Bulletin Paper 認知症高齢者の食事支援における24時間シートの有効性

弘津, 公子  ,  利光, 菜緒  ,  藤崎, 朋恵

11pp.87 - 100 , 2018-02-28 , 山口県立大学
ISSN:2189-4825
Description
認知症には、BPSDと呼ばれる「認知症の行動心理学的症候」が認められ、食事摂取においても「食事関連BPSD」が存在する。近年整備された介護老人福祉施設では小規模生活単位型を主流としたユニット型施設を基準とし、認知症ケアの有効性を確認している。この施設の介護計画は、ICF概念を基本とした24時間の時間軸に沿った「24時間シート」の使用が義務づけられている。24時間シートは、利用者個々に、その時間帯の過ごし方並びに支援項目を可視化し、ケアの統一と標準化を図るツールである。本研究では、ユニット型施設に入所する認知症高齢者の食事支援における24時間シートの有効性を検討することとした。全室個室のユニット型特別養護老人ホームに入所している利用者69人を調査対象者とし、調査期間は平成27年度の6か月間とした。今回の調査では、6か月間の食事支援に関する24時間シートの有効性を検討するため、個別援助計画、24時間シート、栄養ケア・マネジメント関連資料の支援内容を検討した。24時間シートは自由記述であるため、テキストマイニングツールを使用し、介護方法別(自立、一部介助、全介助)に重要キーワードと関連キーワードの順位を抽出した。併せて、各項目の中で食事に関する内容を抽出し、介護方法別に、コンセプトマッピングを作成した。対象者の年齢84.2 ± 8.91歳、BMI 21.1 ± 3.63kg/m2、要介護度3.93 ± 0.99であった。低栄養状態の指標となる、BMI18.5kg/㎡未満は18.0%、喫食率75.0% 以下は23.0%であった。主要な慢性疾患が認知症の者は、67.4%であった。栄養状態と要介護度(r= - 0.440,p<0.01)、喫食率(r=0.255,p<0.01)、並びに要介護度と食形態(r=0.571,p<0.01)には、有意な関係を認めた。キーワードの重要度並びに関連度、およびコンセプトマッピングでは、介護方法の区分により異なった語句が抽出、配置された。介護保険施設では、利用者の大半は認知症を有しており、認知症の食事BPSDに対する正しい理解がなければ、食事支援を行うことはできない。そこで、利用者個々のニーズや支援方法を把握し、BPSDに適した食事支援を行う必要がある。24時間シートの作成により、利用者のニーズや支援方法、並びにケアの標準化を明らかにし、利用者のペースに合わせた支援を行うことが可能となる。本研究では、認知症高齢者の食事支援に24時間シートを使用することは有効であると考えられた。
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http://ypir.lib.yamaguchi-u.ac.jp/yp/file/1486/20180412171536/11.nursing_Hirothu.pdf

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