Departmental Bulletin Paper 患者の同意なく患者識別データを処理することの法的・倫理的検討 : 英国の状況を手がかりとして

増成, 直美

9pp.45 - 56 , 2016-03-31 , 山口県立大学
ISSN:2189-4825
Description
英国では、識別可能な患者情報の使用を必要とする国民保健に不可欠な活動および重要な医学研究があるとの認識があったことから、2006年NHS法の251条が制定された。251条は、匿名化された情報では十分でなく、患者の同意取得が実現可能でない特定の状況において、コモンロー上の守秘義務を免除する権限を保健大臣に与える。それまで、治療以外の目的のために個人の機密情報を利用することに対して患者の同意が得られない場合に、当該目的のための法律上の揺るぎない基盤が英国にはなかった。そこで、コストと利用可能なテクノロジーを顧慮しても、なお匿名化された情報を利用できない場合、および同意を得ることが実際的でない場合に、医学目的での機密の患者情報の開示を可能にするために、コモンロー上の守秘義務を免除する道が開かれた。本稿では、英国での状況を手がかりとして、診療情報の活用と患者のプライバシー保護という一見相反する2つの法益を調整しつつ、診療情報の二次利用のあり方を検討し、国民すべてがその恩恵にあずかれるような、わが国にふさわしい法的環境整備を模索した。
In the UK, people have the recognition that there are essential activities of the NHS, and important medical research, that require the use of identifiable patient information but it is not always practical to obtain consent. The Act of NHS section 251 established a legal basis for personal data to be disclosed for public health purposes without patient consent. The government aims to acquire and maintain the UK leadership position in medical research. In this paper, with reference to the British situation while adjusting the two conflicting interests protected by law, I have considered the secondary use of the personal medical information and Japanese legal environment.
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http://ypir.lib.yamaguchi-u.ac.jp/yp/file/1353/20160427153252/07.gen_MASUNARI.pdf

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