Departmental Bulletin Paper マイケル・バリントの「一次愛」論-土居健郎の「甘え」理論と比較して-

中野, 明徳

(18)  , pp.21 - 38 , 2016-03 , 別府大学会
ISSN:13450530
Description
本論はバリントの「一次愛」の概念とそれに関連する治療技法を詳細に追究し、それらを土居の「甘え」理論と比較した。バリントのいう「一次愛」の本質は「対象との融合」「主体と対象の一体性」を求める対象関係であり、これは土居の「甘え」と同じである。バリントは一貫して治療終結期に「一次愛」がみられる「新規蒔き直し」の過程を重視し、ここに導く「良性の退行」についての治療論を展開した。他方、土居は「甘え」を自我欲求としてとらえ、日本人の患者が早い時期から「甘え」の心理を表出することから、退行よりも「甘え」の自覚を重視した。
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