Departmental Bulletin Paper イギリスの興隆と衰退に関する一考察(1) : イギリス興隆の要因

田中, 文憲

44pp.1 - 26 , 2016-3 , 奈良大学
ISSN:03892204
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本稿の目的は、イギリス興隆の要因を明らかにすることにある。まず経済的要因として、砂糖・奴隷貿易を取り上げた。分析の結果、イギリス、西インド諸島、アフリカ問の三角貿易がイギリスの本源的蓄積の1つになったことが分かった。次にシティと金融業について分析した結果、公債の大量引受けにマーチャント・バンカーたちが大きな役割を果したことが分かった。次に、政治的要因として、まず保守主義を取り上げた。分析の結果、イギリスは国王を頂きながら議会が権力を握るという方式を作り上げ、政治の安定につながったことが分かった。さらに、財政=軍事国家について分析した結果、イギリスがヨーロッパでもっとも上手に財政と軍事を結びつけ、運営したことが分かった。さらに、その他の要因として、まずスノビズムを取り上げた。分析の結果、スノビズムはイギリスの階級制度の緩やかさから生じたものであり、下から上への移動の可能性がイギリス社会を活性化したことが分かった。次に、ピューリタニズムを取り上げた。分析の結果、ユグノーの移住がイギリス経済発展に大きく貢献したのと同時に、フランスに大きなダメージを与えたことが分かった。結論は、イギリスの興隆の要因は1つではなく、さまざまな要因が重なり合い、相互作用を生み、シナジー効果を発揮したためである。
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