紀要論文 遊ぶことの論理 : D.W.Winnicottの “Playing and Reality” の読解
The logic of the playing : The interpretation of "playing and reality" by D.W.winnicott

田中,秀紀

(13)  , pp.29 - 38 , 2015-03-20 , 広島国際大学心理臨床センター
ISSN:1348-2092
NII書誌ID(NCID):AA12125734
内容記述
本論はD.W.Winnicottの遊ぶことの理論を描き出す試みである。まず,乳房には主体からの自発的な母親への関わりと,それに応える母親との出会いがある。この出会いは,主観的な対象と客観的な対象の間のずれを潜在的に抱えている。そのずれは原初の“自分でない”対象である以降対象の発生によって顕わになる。遊ぶことの素材は観外的な現実性を帯び,主体にとって異物となる。それゆえ遊ぶことで,主体は内的な現実性に入りつつも外的な現実性をも維持する,二重の現実性を生きる。さらに遊ぶことの不確かさが全能感的な主性を剥いでいき,対象の現実的な操作を可能にしていく。以上から遊ぶことを,内的な現実性と外的な現実性の間を揺らぐ,弁証法的な運動として捉えた。さらに,主体が遊ぶことに夢中になることで,主体はむしろ遊ぶことに委ね,遊ぶことが主体となる。遊ぶことが現実よりも先行し,現実を創っていく非人称的な場となるのである。
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http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hirokoku-u/file/12250/20151224141212/Vol.13_4.pdf

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