Departmental Bulletin Paper 日本における相続税の課税方式に関する研究
A Study on Inheritance Tax in the Japanese Tax System

餅川,正雄

40 ( 2 )  , pp.63 - 85 , 2017-09-30 , 広島経済大学経済学会
ISSN:0387‐1444
NCID:AN00408380
Description
本研究は,我が国の相続法の基本思想を踏まえ,現行の相続税法の課税方式(taxation method)の問題を考察するものである。世界的にみると,相続税の課税方式は,被相続人(故人)の遺産に課税する遺産税(estate tax)と遺産を取得した各相続人に別々に課税する遺産取得税(inheritance tax)の二つに大別される。我が国の相続税法は,遺産税方式と遺産取得税の折衷制度(eclectic system)となっている。本研究では,この折衷制度である法定相続分課税制度(statutory Inheritance taxation system)の問題点を指摘する。相続税法は民法・相続編(以下,相続法という)を基礎に置いているものであるため,民法の相続制度を前提として考察することになる。相続法と相続税法の交錯についての筆者の基本的な立場は,遺産分割(estate division)の在り方について相続税が影響を及ぼすという考え方である。本研究の研究対象である「相続税法」の諸問題を研究するためには,相続法の基本思想を考察する必要がある1)。そのため,最初に法定相続の基本原則に関する考察を行い,相続税の課税根拠に関する諸学説を整理する。次に,日本の相続税の課税方式における「法定相続分」の存在理由と計算過程を示して,現行の課税方式から発生する不公平性を明らかにする。
1.はじめに 1.1研究の目的 1.2研究の背景 1.3相続税の課税方式 1.3.1遺産課税方式 1.3.2遺産取得課税(取得税)方式 1.3.3二つの課税方式の考察 1.3.4法定相続分課税方式 2.相続法の基本思想 2.1相続(inheritance)のルール 2.2法定相続の基本原則に関する考察 2.2.1相続の開始とその場所 2.2.2法定相続人と代襲相続制度 2.2.3配偶者の相続権 2.2.4相続財産 2.2.5法定相続分 2.2.6共同相続財産 3.遺産分割に関する考察 3.1法定相続 3.2法定相続の理念 3.3遺言相続制度 4.相続税の課税根拠に関する考察 4.1社会還元説 4.2所得税補完説 4.3偶発的所得説 4.4社会政策説 5.日本の相続制度の考察 5.1被相続人の「配偶者」の相続権 5.2被相続人の「子」の相続権 5.3法定相続人の類型と代襲相続人 5.4遺産分割の理念と法定相続分 5.4.1遺産分割の理念 5.4.2法定相続分の存在理由 5.4.3相続人の組み合わせと法定相続分の関係 6.法定相続分課税方式の考察 6.1法定相続分課税方式の計算過程 6.2法定相続分課税方式の問題点 7.おわりに
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