紀要論文 <原著>上皮悪性腫瘍の肉腫様変化は骨芽細胞分化の側面を有する--骨分化マーカーを用いた検討と解析

村上, 哲平  ,  井上, 敬夫  ,  西村, 俊司  ,  伊藤, 彰彦  ,  赤木, 將男

40 ( 1-2 )  , pp.39 - 46 , 2015-06-01 , 近畿大学医学会
ISSN:03858367
内容記述
[抄録]上皮悪性腫瘍では腫瘍組織内の一部において間葉系由来の細胞増生を認める現象がしばしば確認され, その現象は肉腫様変化(sarcomatoid change)として認識されている. しかし, その間葉系組織の分類を定義した研究報告はない. 近年, 上皮性の細胞接着分子であるcell adhesion molecule 1(CADM1)が骨肉腫細胞株および肉腫摘出標本, 正常骨芽細胞などの骨性間葉系細胞に強発現していることが明らかとなり, CADM1が骨分化マーカーの側面を持っている可能性が示された. 本研究は上皮悪性腫瘍の肉腫様変化にCADM1も含めた骨分化マーカーの発現の有無を検討し, その間葉系組織において骨形成性の変化を伴う一群の存在を確認することで, 分類が可能であるか検証を行うことである. 我々は肉腫様変化を伴う上皮悪性腫瘍の症例に対し免疫染色を施行し組織内の各種骨形成性マーカー(CADM1, ALP, Osterix, CD151)の発現を確認した. その結果をスコア化し, 各骨分化マーカーと細胞形態変化の結果を統計学的に検証した. その結果, 肉腫様変化における間葉系細胞の骨芽細胞分化においては, CADM1が統計学的に最も優れていた. 一方で組織学的な形態変化による骨芽細胞分化に対する関連性は認められなかった. これらの結果より, 上皮悪性腫瘍の肉腫様変化による間葉系細胞組織の一部は骨芽細胞分化の側面を有しており, その分化マーカーとしてCADM1の有用性が示唆された.
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