学位論文 Synthesis of Functional Materials Composed of Siloxane Based Caged Structures

Irie, Yasuyuki

2016-03-25
内容記述
有機成分と無機成分をナノレベルで組み合わせた有機‐無機ハイブリッド材料は有機材料および無機材料としての特性を併せ持つのみならず、それぞれの材料とは全く異なる材料特性を発現させることで、これまでにない高性能・高機能材料が得られる可能性を秘めたアプローチとして注目されている。しかしながら、無機成分の凝集や結晶化はこれらの材料における機械的強度や光学的特性の低下を及ぼすため、さらなる高機能化の達成は困難であった。そのため、凝集や結晶化を分子レベルで制御した新たな有機‐無機ハイブリッド材料の設計が望まれていた。 本論文ではかご型シルセスキオキサン(POSS)およびかご型オクタシリケート(OS)から構成される新たな有機無機ハイブリッド材料を合成し、それらの材料特性の評価について述べる。 序論ではかご型シロキサン構造からなるこれまでの有機‐無機ハイブリッド材料について紹介し、凝集や結晶化を制御することの意義について考察するとともに、本論文の概要を述べる。 第1章ではOSを核として用いたビフェニル基を末端部位に有する、側鎖長が異なる2種類のOS核デンドリマーを合成した。側鎖長の短いデンドリマーでは光学的透明な塗布膜が得られ、側鎖長が長いデンドリマーでは白濁した塗布膜が得られた。さらに側鎖長の短いデンドリマーでは基板上から剥離することに成功し、光学的透明性を保持したまま自立膜として得られることを見出した。 第2章では末端基に発光性機能性分子であるカルバゾール基を末端に導入した側鎖長の異なる2種類のOS核デンドリマーを合成し、その発光特性および成膜性を調査した。側鎖長を制御することで発光波長の制御および発光量子収率の向上を明らかにした。 第3章ではOS核デンドリマーのさらなる機能化を思考した、2種類の異なる機能性官能基を有するOS核デンドリマーの合成を行った。カルバゾールと1,8-ナフタルイミドを単一デンドリマーの末端部位への導入に成功し、両者の相互作用に基づくエキサイプレックス発光の発現が確認された。それぞれの置換基を単独に有するデンドリマーとの光学特性およびガラス転移温度の挙動を調査した。 第4章ではOS核デンドリマー間の界面に導電性結晶として知られる7,7,8,8,-テトラシアノキノジメタン混合原子価積層状態を形成させた導電性塗布膜の作製を行った。得られた塗布膜は数ミクロンのオーダーの膜厚を有するにもかかわらず、良好な導電性(100 S cm-1) を示すことを見出した。 第5章では材料化を思考した、デンドリマーの簡便な高分子量化の手法の確立のために、POSSを基盤としたハイパーブランチポリマーの合成を行った。 第6章では2つの重合性置換基を有する2官能性POSSモノマーを選択的コーナーオープニング反応およびコーナーキャッピング反応を用いて合成した。さらにこれを重合して得られた高分子は自立膜を形成することを明らかにした。
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