学位論文 A STUDY ON THE FRACTURE BEHAVIOR AND THE MECHANICAL PROPERTIES OF UNIDIRECTIONAL CARBON FIBER REINFORCED COMPOSITES

菅原, 寿秀

2015-09-24
内容記述
繊維強化プラスチック材料は、その優れた機械特性や耐久性、そして軽量性を有することから多くの産業分野において約数十年間にわたり改良・改善を行いつつ使用されてきた。その用途分野としては航空機やスポーツ用品、住宅・住宅設備、ライフライン等のインフラ設備、造船、そして自動車などを代表とする様々な分野がある。また特に西暦2000年以降においては環境問題とりわけ「CO2排出による地球温暖化」についての抑制策、改善策への意識と行動が世界的に浸透してきたことからCFRP材料への期待は非常に大きくなり、それらの開発においても加速レベルが大きく変化した。 しかし、その特性は優れ、多くの期待を集めているものの、普及率においてはまだまだ限定的な状況となっている。その理由は大小様々であるが、原材料の供給能力が少なく大規模分野への適応の可能性が不明であること、それぞれの製造工程・加工工程において基準となる製造方法・加工方法が明確で無く開発要素が多いことから全体的にコスト高となること、併せて2次加工/3次加工工程・設計工程などが非常に複雑で未成熟なこと、などが挙げられる。 本研究は基礎的なプリプレグ材料およびフィラメントワインディング成形品において、その破壊挙動を調査することでそれら製品の開発段階で用いることが可能な指標およびその調査方法を確立し、開発の効率化や生産管理の効率化などを可能にすることで、今後の複合材料の発展に寄与することを目的としている。 第一章では、基本的な事象や背景と目的および本論文の構成について説明した。その上で本研究内で用いる材料である、一方向強化材の破壊挙動と力学的特性を検討する必要性も述べた。 第二章では、炭素繊維強化複合材料の熱可塑性材料および熱硬化性材料の積層板材の製造について詳細を述べた。開繊加工技術が用いられ炭素繊維を用いているため、粘度の高い熱可塑性樹脂でも含浸を良くすることができる。ポリアミド6(PA6)を用いた熱可塑性複合材料とエポキシ樹脂を用いた熱硬化性複合材料の加工方法を例として、積層板材の製造方法について説明をした。 第三章では、炭素繊維/PA6樹脂と炭素繊維/エポキシ樹脂の一方向強化材において引張試験、曲げ試験を行い、力学的特性の把握を行うとともに大標本の試験結果により、力学的特性のバラツキも論じた。炭素繊維/エポキシ樹脂の積層板材では強い界面と低い破壊靱性を有し、炭素繊維/PA6樹脂の積層板材が有する一方向の繊維配向内では相対的に弱い界面と高い破壊靱性を有している事が確認できた。 第四章では、炭素繊維/PA6樹脂と炭素繊維/エポキシ樹脂の双方の引張試験後の一方向強化材試験片において繊維配向、界面特性、マトリクス樹脂の破壊靱性と破断面の関係を明確にした。破壊モードは、ブラシ形状の破壊モードであるスプリッティング形状と階段形状の破壊モードステップライク形状の二つの破壊モード分けることができた。また、ブラシ状サイズの分析を行う事でスプリッティング形状には、二種類存在することを明らかにした。さらには曲げ試験における破壊モードにおいては、シングル破壊モードとダブル破壊モードの二つを観察できた。 第五章では、界面特性の研究として炭素繊維強化積層板材において90度引張試験と90度3点曲げ試験を行い、45度引張試験も実施した。これらの結果を踏まえてSEM観察を行ったところCFRP積層板材の界面特性はそれらの機械的特性や破壊挙動に不可欠な影響を与えている事を確認できた。 第六章では、炭素繊維/炭素繊維および炭素繊維/アラミド繊維などのフィラメントワインディング成形円筒構造材の破壊挙動とエネルギー吸収性能に関して検討を行い、特にハイブリッド材料を含む層構成の違いと熱処理の影響について検討した。その結果、高いエネルギー吸収性能が得られ、それを実現する破壊モードを特定することができた。これにより、自動車用途への応用が可能であるとことを示した。 最終章の第七章では、各論文の其々の結果等を踏まえて最終的な総括をした。
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