紀要論文 モーツァルトのオペラ創作とザルツブルク : 《シピオーネの夢》に着手するまで
The Relationship between Mozart and Salzburg : A Consideration on the Background of the Composition of Il sogno di Scipione

松田, 聡

39 ( 1 )  , pp.27 - 41 , 2017-09 , 大分大学教育学部
ISSN:24240680
NII書誌ID(NCID):AA12760506
内容記述
モーツァルトの《シピオーネの夢》は,元来,ザルツブルク大司教シュラッテンバッハの聖職者叙階50 周年の祝典のためのオペラとして1771 年に作曲されたものの,大司教死去により,翌72 年に後任のコロレード就任の祝典に転用された,とするのが現在の定説である。本稿では,それを踏まえつつ,モーツァルトが同作品を作曲した背景を,そこにいたるまでの作曲家とザルツブルクにおけるイタリア・オペラ等の劇音楽との関わりを観点として考察した。モーツァルトは1767 年に宗教的ジングシュピールと学校劇の作曲によりオペラ創作を開始したが,その取り組みは,当時のザルツブルクがちょうど,宮廷楽長エーベルリンが1762 年に死去した後の代替わりの時期にあったことと結びついている。1767 年以降の同地では,その2ジャンルについては,アードルガッサーとミヒャエル・ハイドンが中心的な作曲家となるが,イタリア・オペラの作曲がなされた形跡はない。その中で,この分野に最も密接に関わったとみられるのが,モーツァルトである。1771 年に彼が祝典オペラを作曲したのも,その点からすれば,きわめて順当なことだったと考えられる。続くコロレード時代,モーツァルトはなかなかオペラ創作の機会が与えられなかったが,シュラッテンバッハ時代は,それとはかなり異なる境遇にあったことが,ここからうかがえる。
In this paper, I investigated the relationship of Mozart (1756-1791) and the performances of operas in Salzburg in order to pursue the reason why he was commissioned the composition of Il sogno di Scipione in 1771.
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http://opac2.lib.oita-u.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=TD00524371&elmid=Body&fname=kyouiku_kiyou39-1_3.pdf

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