Departmental Bulletin Paper 認知症高齢者に対するライフレビュー面接10回法の臨床的検討 : 「こころの生涯学習」の向こう側を目指して

林, 智一

8pp.71 - 85 , 2016-03 , 大分大学高等教育開発センター
ISSN:18842682
NCID:AA12448314
Description
認知症高齢者のこころの成長や発達、成熟を目指した「こころの生涯学習」の一環として、生育史の聴取を中心とするライフレビュー面接を10回、試行した。92歳の女性と82歳の男性の2事例を提示し、考察を加えた。その結果、Webster&Young(1988)の3要因モデルに照らして検討すると、過去の出来事を思い出す「想起」の過程は活性化したが、想起された記憶に対しての「評価」および改定され推敲された記憶の再統合の過程である「綜合」は見られなかった。しかし、想起のみでも精神過程の賦活やアイデンティティの感覚、有能感や成功感、世代性の感覚の向上など、相応の効果が得られた。また、繰り返し語られるエピソードは、認知症高齢者にとってなんらかの意味を有するものと思われるため、その意味を面接者が検討し、理解することが重要であると思われた。以上より、「こころの生涯発達」という観点は、認知症高齢者の人間としての尊厳を重視したケアに資するものであると考えられた。
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http://opac2.lib.oita-u.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=TD00510579&elmid=Body&fname=crdhe_8_7.pdf

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