学位論文 女子大学生の健康認識および生活習慣が肥満に及ぼす影響に関する研究

石川, 英子

2016-03 , 九州工業大学
内容記述
日本は高齢社会に突入しており,平均寿命と健康寿命には10歳の違いがある.健康寿命を延ばすには,生活習慣が大切であり,適正な食習慣・定期的な運動習慣・禁煙・適正な飲酒量・快適な睡眠が必要である.健康づくりにおいて肥満とくに内臓脂肪型肥満の予防は重要な位置づけを持つと考えられている.しかし,若年女性は痩身志向が強く,間違った食習慣や運動習慣に関して過剰といえる情報が氾濫しており,結果として体重は落ちているが,体脂肪率が高い隠れ肥満が30~40% にのぼると報告されている.隠れ肥満は容易に肥満に移行することがあり,将来に生活習慣病になる危険性もある.中学校および高等学校では,保健体育の授業において生活習慣に関する内容を学ぶ機会があるが,大学生になると決まったカリキュラムで学ぶことがなくなる.これらのことから本研究では,女子大学生を対象とした.調査対象は,某私立大学に所属する1~4年生の女子大学生の111人であった.身体計測は身長,体重,体脂肪率,ウエスト周囲径を測定し,体脂肪率28%未満・以上とウエスト身長比0.5未満・以上に分類した.本研究の質問内容は,睡眠の質を調べる睡眠健康調査票簡易版,食行動のずれ・くせを調べる食行動質問票そして健康認識を調べる健康認識質問票を取り入れた調査票を作成した.その結果,対象者のうち,体脂肪率28%未満群は40人,以上群は71人であった.体脂肪率と睡眠の質を調査した結果,睡眠の質のいびきとむずむず脚・四肢運動異常の項目が体脂肪率28%以上群と関連があり,体脂肪率28%以上群およびウエスト身長比0.5以上群は,食行動のずれ・くせとの関連があった.本論文の対象者の生活習慣の認識においては,運動や体力づくりに気をつけていない割合は64%,ストレス対処に気をつけていない割合は55.9%,睡眠に気をつけていない割合は54.1%の結果となった.肥満者は上気道に脂肪や軟部組織が発達しているため,上気道が狭窄化しており,いびきが起こりやすい状態であると考えられることから,体脂肪率28%以上群といびきとの関連があった.むずむず脚・四肢運動異常は,鉄や葉酸が不足してもなりやすく,体脂肪率28%以上群は未満群に比べて食行動のずれ・くせも見られることから,体脂肪量が高くなり易い炭水化物を中心とした偏った食生活をしていることが多いと考えられた.また,女子大学生は,健康および肥満への関心も高く,そのニーズが多岐にわたることから,本研究においては,体脂肪率と睡眠の質との関連があったことそして睡眠に気をつけていない割合が高かったことより,肥満に対する第一段階の支援対策としては,睡眠の質と肥満との関連を説明する情報提供を行うことが必要であると考えられた.本論文では女子大学生が対象であるが,肥満との関連を調査する場合,性別および年齢に関係なく対象者の健康に関するニーズの把握を行うことが必要である.対象者の健康に関するニーズを把握するすることにより,肥満に対する有効的なプログラムを作成することができる.生活習慣のうち,睡眠の質と体脂肪率に関連した先行研究は,極めて少ないことからも,今後の肥満に関連する生活習慣には,睡眠の質の視点を加える必要があると思われる.本論文は5章で構成されている.第1章ははじめにである.肥満になる社会的背景,肥満になる要因の先行研究,健康認識および肥満の定義と本論文の目的について述べる.第2章は方法である.調査対象,調査項目(身体計測含む),そして本論文の質問紙に用いた睡眠の質,食行動のずれ・くせおよび健康認識の質問票の内容について述べる.第3章は結果である.質問紙を用いて調査実施した内容と身体計測についての結果について述べる.第4章は考察である.肥満と睡眠(時間・質),食行動のずれ・くせおよび健康認識との関連について述べる.第5章は総論であり,本論文のまとめと今後の課題について述べる.
第1章 はじめに||第2章 方法||第3章 結果||第4章 考察||第5章 総論
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http://ds.lib.kyutech.ac.jp/dspace/bitstream/10228/5710/1/sei_k_268.pdf

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