紀要論文 リベラリズムを封じ込める現代批評教材 : 仲正昌樹「何のための「自由」か」

西田谷, 洋

3pp.3 - 12 , 2018-02-15 , 富山大学人間発達科学部日本文学会
ISSN:24326216
NII書誌ID(NCID):AA12776018
内容記述
仲正昌樹「何のための「自由」か」は、連載「現代自由学講義」(『一冊の本』二〇〇七・~二〇〇九・五)の単行本化『なぜ「自由」は不自由なのか現代リベラリズム講義』朝日新聞出版二〇〇 九・八)の最終回に当たり、『現代文B』(筑摩薯房二〇―四・一)の評論教材となっている。「何のための「自由」か」は、アーキテクチャー的な規制は法による規制とは異なり、人間の自由意志を必要としないが、もし「最大多数の最大幸福」を実現するために人々の行動を制御する超アーキテクチャーが出現すれば、個人の幸福を実現するために不可欠とされた自由を判断する基準・境界線も変容しうることを主張する。指導書によれば教材の指導目標は三点あるとされる。①変化する社会において「幸福」や「自由」について考察させる②キーワードやそれと対比される語句との関係を整理させ、論の展開を把握させる③仮説のたて方や意図を学ばせる。その上で指導書は授業の要所を、「アーキテクチャー」が設計する「悪いことができない環境」に慣れると「自由意志」にかかわらず管理されていることになる」「幸福」が「人によって異なる多様なものなのか、それとも万人に共通したひとつの理想的なものなのか」「筆者の間題提起について考えさせたい」とする。問題提起に対して様々な立場から考察することが可能である。言い換えれば、指導書の読解・記述が、教材の論述といかに交錯しているか検討する必要がある。そこで、第二節では超アーキテクチャーによる自由概念の変容の問題について、指導書の論述と教材の含意とを対比する。また、教材化されるにあたってオリジナルの記述が削除されているが、第三節ではオリジナル単行本版の自由観から改めて教材の論述の意味づけを試みる。
p1(抄録)のみ掲載
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