紀要論文 裁判例にみる外国扶養裁判の承認執行と相互の保証
Reciprocity and the Recognition and Enforcement of Foreign Maintenance Judgements : An Analysis of Court Judgements

岩本, 学

63 ( 1 )  , pp.43 - 62 , 2017-07 , 富山大学経済学部
ISSN:0286-3642
NII書誌ID(NCID):AN00408391
内容記述
外国の裁判所により下された扶養料に関する判決や命令(以下,「外国扶養裁判」とする)をわが国において効力を生じさせる手段として,裁判所は外国判決承認執行の枠組みを用いてきた。この点,扶養事件も含まれる「非訟裁判」の事件類型については,仮に外国の裁判所で判断が下されていたとしても,その承認は問題とならず,準拠法により判断するとの手法も提唱されていた。しかし,少なくとも扶養事件については,二当事者対立構造をとっていること,金銭の支払が問題となる点で財産事件に近接すること,などから,財産事件の承認執行の判断基準である,民事訴訟法118条の(類推)適用ないし準用が主として想定されてきた。本稿は,民訴法118条に規定された承認要件のうち,同条4号の相互の保証に関する関連裁判例の分析を通じて,現在の外国扶養裁判の承認執行における同要件の位置づけを明らかにすることを目的とするものである。後述の通り現在改正作業が進行中の人事訴訟法等の改正により,外国扶養裁判の承認執行事案では,今後も民訴法118条の各要件が準用される見通しとなっている。ゆえに,本稿で扱う相互の保証に関する従来の議論は今後も妥当すると思われるが,従前の裁判例が相互の保証をどのように扱ってきたのかについては,ほとんど分析されてこなかった。結論を言えば,従前の裁判例は相互の保証要件を適切に適用できていたか疑わしいため,本稿を通じてそれを明らかにし,今後の議論の下地としたい。以上の分析を軸に据えるため,二ではまず外国で下された扶養判決が関連する裁判例を紹介する。その際には,本稿の問題意識から,【ア】民訴法118条が適用ないし準用された否か,【イ】相互の保証をいかなる基準で認定したか,の部分を中心に取り上げることとする。その上で,これらの分析及び評価を三で行う。
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