紀要論文 不要な不動産(建物および土地)の地方公共団体への寄附は可能か? : 地方自治法96条1項9号「負担付きの寄附又は贈与」の検討から
Is it possible to donate the Unnecessary Real Estate to the Municipality? : An Analysis under Article96-1(9) of the Local Autonomy Act

神山, 智美

62 ( 1 )  , pp.87 - 105 , 2016-07 , 富山大学経済学部
ISSN:0286-3642
NII書誌ID(NCID):AN00408391
内容記述
空家は2013(平成25)年には全国に約820万戸にのぼり,そうした空家の管理および利用に関する議論が盛んになっている。2014(平成26年)10月時点では,401の地方公共団体が空家条例を制定しており,このような中,2014(平成26)年11月には空家等対策の推進に関する特別措置法(2014(平成26)年法律第127号。以下「特措法」という。)も制定された。当該特措法は,平成27年2月に施行日を迎えたことからも,各地方公共団体は知恵を出し合い,各地域の実情に即した空家対策条例を制定しまたは既存の条例を改正し,各種の施策を打ち出している。この特措法を受け,政府も国土交通省を中心として,個人住宅賃貸活用ガイドや空家の利活用事例集等を刊行して,空家対策の推進および啓発に尽力している。こうしたところ,地方公共団体から,空家等のいわゆるアンダーユースによって生じた「負の価値をもつ不動産(建物および土地等)」,すなわち空家,空地および荒れた人工林等であり,使用,収益および処分の予定もなくそのための負担金を払うことも困難となっている不動産を,「所有者から地方公共団体に寄附してもらい,集約することで,まちづくりに利活用できないか」という期待の声がある。ただし,この期待の前提である「負の価値を持つ不動産を所有者から地方公共団体に寄附してもら」うことについては,「無理である」という言説がまことしやかにささやかれており,あえてその可能性について筆者なりに検討するものが本小稿である。よって,(1)寄附に係る法的性質について若干の検討を行い,(2)現行の地方公共団体への寄附の規定および要件をまとめ,(3)なかでも「負担付きの寄附又は贈与」について解析し,(4)それに基づき現況の不動産の寄附受領の運用事例をみながらその適法要件等を検討し,(5)地方公共団体の期待に,より適切に応えるべく寄附受諾の判断および遂行するための手続等について検証する。
本文を読む

https://toyama.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=13309&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報