Technical Report 日本とオランダの花き球根産業に対するリーマンショックの影響 : 生産と貿易

新里, 泰孝  ,  竹田, 達矢

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本稿の目的は,日本とオランダの花き球根産業に対する2008年のリーマンショックの影響を分析することである。リーマンショックとそれに続く世界金融危機は世界規模での不況を招来した。その影響は,農業や花き産業にも及んだ。日本の花き球根産業はリーマンショック以前から停滞していたが,世界不況によって一層大きな打撃を受けたように思われる。他方,オランダの花き球根産業も同様に世界不況の大きな影響を受けたが,速やかに回復したようである。我々は,分析の枠組みとして標準的な国際貿易理論のモデルを提示する。日本の球根産業を分析するために小国モデルを適用し,オランダとアメリカの関係を分析するために2国モデルを適用する。そのうえで,オランダと日本に影響を与えた要因を検討する。特に,日本のチューリップ球根産業については詳細な分析を行う。結論として,オランダの球根産業はリーマンショックによって大きな影響を受けたが,速やかな回復が見られた。オランダの球根は世界中に販路を広げており,急速に経済成長するBRICs諸国(ブラジル,ロシア,インド,中国)に対する輸出が伸びている。一方,日本は未だにリーマンショックの影響から回復していない。日本の球根産業の長い停滞は,高コスト・小規模生産構造,農業収入の中心である稲作の収益性の低下,消費者の嗜好の変化といった根本的・長期的諸問題によるものであることが示唆される。
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