Technical Report システム開発における戦略,組織,エンジニア行動と 人材マネジメント : 日中韓3社の比較分析

馬, 駿  ,  西野, 史子  ,  尹, 諒重

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本稿は,日本,韓国と中国のシステム開発3社に対する聞き取り調査に基づき,システム開発企業における開発戦略,その戦略を実現させるための開発組織の構造,そして開発における中心的な役割を果たしている従業員の行動,さらにその行動に影響を与える人的資源管理の仕組みについて,3か国の企業の実態を比較しながら,それらの要素間の関係性について検討するものである。日中韓3社に対する比較分析によって主に次の結果が得られた。第1に,3社とも多くの部分では標準化したインターフェースを通じて,できるだけ自社特殊の要素技術を活用しながら差別化を図っている。しかし,組織能力の形成の視点から言えば,少なくとも今回のシステム開発によって形成された能力について,C社は最も多く,次はK社で,J社は最も少ない。とりわけ,C社の「アーキテクチャ能力」が大きく向上したと考えられる。第2に,開発責任者の役割から見れば,C社は最も大きく,その次はK社で,J社は最も小さい。第3に,3社の人的資源管理の仕組みにも大きな違いがある。J社では職能をベースとした人事制度が導入されており,長期的な能力向上に注目している。これに対して,K社の人事制度には,職能的要素が組み込まれているものの,プロジェクトの成果が人事評価に直接反映するようになっている。また,C社では,職務をベースとした人事制度が基本となっており,プロジェクトの成果は,開発責任者の人事評価に直接反映されている。また,システム開発における企業間関係の視点からみると,自動車産業の企業間関係おいてよく見られる「貸与図方式」と「承認図方式」といった関係はシステム開発にも存在している事実が確認された。
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