Journal Article 法制度からみる非支配株主持分の地位と会計処理に関する一考察

澤井, 康毅

59 ( 5 )  , pp.57 - 73 , 2016-12 , 慶應義塾大学出版会
ISSN:0544571X
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研究ノート
非支配株主持分の会計処理については, これまで多くの議論がなされてきた。認識・測定・表示の仕方を個別に検討するだけでなく, 連結基礎概念を用いてこれら全ての会計処理を演繹するものが存在する。ただし, これらの議論が, 非支配株主持分の地位を十分に考慮しているかは疑問である。本稿の目的は, 非支配株主持分の地位を明らかにしたうえで, 会計処理を考察することである。実際の親子会社関係は多様であり, 個々のケースから非支配株主持分の地位を説明することは難しい。そこで, 非支配株主持分の地位に影響を与えると考えられる非支配株主の保護規制(会社法, 金融商品取引法)に着目し, 親会社株主持分との対等性を検討する。親会社株主利益と非支配株主利益のいずれを重視するかにより, 保護規制の内容は変わる。親会社株主利益を重視する保護規制の下では, 非支配株主利益は搾取される余地がある。他方, 非支配株主への公正な利益配分を重視する保護規制の下では, 非支配株主利益の搾取は困難となる。本稿では, 非支配株主利益が搾取されない状況において, 非支配株主持分と親会社株主持分が対等な地位にあると考えている。本論の流れは以下の通りである。第2節では, 非支配株主持分の会計処理を説明し, 基準設定主体間の差異を示す。第3節では, 英国, 米国, 日本の非支配株主保護規制を比較する。第4節では, 法制度から推測される非支配株主持分の地位と会計基準との関係を検討する。両者の間には相関があり, その相関をもたらす要因についても指摘する。第5節では, 非支配株主持分に関するいくつかの会計論点を考察し, 第6節において結論と今後の課題を示す。When setting the accounting process of Non-controlling interests, its status is not taken into account fully. The purpose of this paper is considering the relation between accounting process (set by IASB, FASB and ASBJ) and the status of Non-controlling interests presumed from legal system. Approach of this paper is as follow. The more legal system restrains the rent extraction from Non-controlling interests, the more owners of parent and Non-controlling interests come close to equal footing. To achieve the purpose of this paper, legal protections for Non-controlling interests in UK, US and Japan are analyzed comparatively.
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http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=AN00234698-20161200-0057

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