学術雑誌論文 処理規約の規定要因(3) : 利益観・企業の経済活動の態様・計算方式を巡って

笠井, 昭次

59 ( 2 )  , pp.31 - 49 , 2016-6 , 慶應義塾大学出版会
ISSN:0544571X
内容記述
論文
今日, 意思決定有用性に準拠した会計学説における処理規約(評価規約)の規定原理は, [(利益観(平準化利益観・ボラティリティ反映利益観)⇒計算方式(フロー起点方式・ストック起点方式))→処理規約(評価規約)]とでも定式化できるが, 問題は, このシェーマによって, 本当に, 現行会計実践を合理的に説明できるかどうかである。結論的には, このシェーマにおける利益観にしても計算方式にしても, 理論的に成立しない(したがって, 現行会計実践を合理的に説明できない)と筆者は考えている。まず利益観については, ①平準化利益観に規定された評価規約とボラティリティ反映利益観に規定された評価規約との混在の問題, ②平準化利益観とボラティリティ反映利益観という分類の有意味性の問題, そして③利益観と特定の評価規約との結び付きの合理性の問題, というみっつの理論的欠陥が, 指摘されなければならない。このうち①および②については, 前々稿(「処理規約の規定要因(1)」『三田商学研究』第58巻第6号)および前稿(「処理規約の規定要因(2)」『三田商学研究』第59巻第1号)において検討したので, 本稿では, ③を取り上げることにする。

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