学術雑誌論文 ティースの学説におけるルーティン概念の変遷

赤尾, 充哉

58 ( 2 )  , pp.309 - 317 , 2015-6 , 慶應義塾大学出版会
ISSN:0544571X
内容記述
渡部直樹教授退任記念号#論文
ティースの展開したダイナミック・ケイパビリティ論のなかで, 組織ルーティンは重要な概念として扱われる。ティースの学説にはつねに組織ルーティンの概念が関わっているが, 各時期に取り組んでいる問題の変化に伴って, 焦点とする組織ルーティン概念が異なっている。初期には, 企業境界設定の要素として企業間の知識移転の困難性を提示し, その根拠として暗黙的知識としての組織ルーティンが用いられる。次いで, 企業境界の変化の要因の1つとして企業のケイパビリティの変化が提示され, その根拠として経験に基づく累積的学習の結果としての組織ルーティンが重視される。さらに, 組織ルーティンの硬直性の問題に対応し, 経営者の非ルーティン的な意思決定の重要性が強調されるようになり, 経営者が意思決定し組織を動かすための助けとして, デザインされたプロセスとしてのルーティンが提示される。こうした変遷は, Nelson and Winter(1982)の概念からサイモンの概念に近づいていったものと見ることもでき, Nelson and Winter(1982)のいうような組織ルーティンだけでは, 大きな変化を遂げるような企業の発展を説明できなかったことが示唆される。
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http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?koara_id=AN00234698-20150600-0309

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