学術雑誌論文 発展途上経済における農産物市場と流通の改善 -- 近代日本の米市場における米穀検査と標準化 (特集 「途上国」日本農業の開発経済史 -- 経験と教訓)

有本, 寛

58 ( 2 )  , pp.77 - 103 , 2017-06 , 日本貿易振興機構アジア経済研究所
ISSN:00022942
NII書誌ID(NCID):AN00011026
内容記述
農産物の円滑な流通には,容量・俵装・品質等の検査制度と標準化が求められる。これらは一般に政府が制度化するが,途上国にはそのキャパシティが不十分なことが多い。本稿は,中央政府の関与なく,米穀検査と標準化が定着した一事例である,近代日本の米市場を検討する。本稿は,その過程を概観したうえで,要因と機序を仮説的に提示する。近代日本では,明治維新以後,米の流通が混乱したが,各産地で移出商等による自発的な移出検査が始まり,後に府県による県営検査へと置き換わり,これが全国に展開した。本稿は,この要因と機序として,産地間競争によって検査と標準化が広がったこと,標準化は価格やシェアの向上に効果があり,産地が標準化の強い誘因をもっていたこと,産地に標準化を実行する組織力,行政・執行能力があったことを提示する。さらに,本事例から,政府主導の標準化の制度化にあたって,教訓と政策的含意を議論する。
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